ポケットの小人

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「こんにちは」 びっくりした ポケットの中からちいさな小人が顔を出したのだ 「貴方、誰?」 るみはびっくりしてたずねました 「私は小人の靴屋ってところかな? でも小人の靴屋さんと違ってなんでも作れるんだよ小さなものならね。」 「つまりお人形さんサイズのものってこと?」 「そう、それならなんでも 」 と言うとその小人は早速ものを作り始めました 手編みやミシンを使って。 カタカタ、コトコト 可愛いミシンの音がします その早いこと早いこと。 あっというまにお人形さんの靴下、上着、お洋服、 寒いときのためのマフラー、手袋があっという間にできちゃいました 「どう、フフ すごいでしょ?」 「うん、すごいすごい。お人形さんに着せてあげてもいい?」 「もちろんだよ、るみちゃん。 そのために作ったんだからね」 その小人さんの作った洋服をお人形さんに着せるとあら不思議! お人形さんが動き出したのです お人形さんは動けるようになって大喜びしました そしてダンスパーティを始めました 「私も参加してみたいなあ」 るみは羨ましがりました 「じゃあ僕の作った服を着てご覧よ。るみちゃんの分も作ってあったんだよ」 「本当に?ありがとう!」 るみは喜んで小人の差し出した服を着てみました するとるみのからだもグングン縮みました るみを見た人形の王子様がダンスを申し込みました るみは王子様と踊れて幸福でした でもなんだか踊り疲れるとママが恋しくなりました 「もう元に戻らなくちゃ。でもとても楽しかったわ。私、このこと忘れないわ」 お人形達はみんなにっこりしてるみに手を振りました ちょうどママが階段の下で呼んでいます 「るみ、オヤツよ」 「はーい、今行きます」 るみは階段から降りていきました 小人がお人形達に話しかけます 「皆、ありがとう 僕はね、仲間から洋服作りが下手だって馬鹿にされてたんだ。でもね、今日の事で自信がついたんだ。服はプレゼントするよ。でも僕がいなくなると動けなくなる。るみちゃんは僕のこと覚えててくれるかな?あの子はまだ小さい。その服はママが買ってくれたものだと思うようになるかもしれない。でも僕は満足だよ。本当にありがとう」 るみはおやつのドーナツを食べていました。 そしてお人形と踊ったり小人とあったりした事をママに話したのです ママは思いました 「まあ、この子ったらなんて想像力があるんだろう。子供ってそうなのね」 でもるみは思いました 「私、絶対忘れないわ、本当よ」 そうして小人のいたポケットの中に小指を立てました 「約束するよ」
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