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十七話 事故【舞台前日】
6人はベットに手足を繋がれて口は密着テープで塞がれたままだった。
トイレなどは尿管を使って尿を排出している。
6人は点滴だけで怪我の治療らしい治療もされず衰弱していった。
「夜が明けたら私達は殺される。今私は、隣にいる恭子に話しかける事さえできない」
鴨の下桜はこの日、夜が明けるまでじっとしていれば何も起こらないと思っていた。
その時、ざわざわと人の話し声が聞こえた。
「誰か来る?誰だろう?今、何時なんだろう?」
声が近づいてくる「あれは団長と観客席の人達何でまた来るんだろう?今、何時だろう?夜だと思っていたけど?」
その時、エンターテイメント復讐劇団の団長が言った。
「さあ、明日のクライマックスの練習をしましょう。練習ですからね。武器は明日渡します」
「嬉しい。前日の練習でも痛めつける事ができ
るんですね」
北見姫花の母親は嬉しそうにそう言った。
「はい、でもほどほどにしてくださいよ。明日が本番で今日は練習なんですから。この練習で死んでしまう悪魔もいますからね。悪魔には本番で
死んでもらいましょう」
「団長!わかりました」
「皆さんもいいですね。これは練習ですよ、練習」
「はいわかりました」観客席にいた人は皆んな一斉に団長に言った。
私達は夜眠る事すら許されないのだろうか?
「さあ〜北見さんのお母さんセリフを言ってそこで道具をうちの劇団員が渡します。それから道具を使って鴨の下桜を何度も渡した道具で痛めつけるのです。近づいて弓で矢を放すのです。それじゃあ練習しましょう」
北見姫花の母親と父親は私の前で最後のクライマックスの練習を始めた。「うちの娘を酷い目に遭わせた鴨の下桜を許さない。許さない」
団長は言った「いいですよ。上手ですね〜その後は往復ピンタですね。さあ痛めつけてください」
団長にそう言われた北見姫花の両親は何度も鴨の下桜の頬を父親と母親の順にピンタをした」
「う、うーんお願い許して」桜は何度も心の中で叫んだが口を塞がれた密着テープのせいで喋る事はできなかった。
他の恨みを持った人達も全員セリフを言って道具があるつもりで練習した。
「よくも可愛い孫の広を殺したわね。私の息子と広の母親典子さんを自殺に追いやったわね。私は水田恭子お前を許さない」
「いいですよ。広君のおばあちゃん。そこにある木刀で水田恭子を殴ってください。おばあちゃんは力の強さから木刀くらい持たないとピンタになりませんからね」
広の祖母しのは木刀を持って何度も水田恭子を殴った。「うーうーうー」
「そうですよ〜いいですよ〜その後広君のおばあちゃん明日渡すナイフで何度も刺してくださいね」
「恭子〜私がこんなツアー申し込んだせいで恭子〜ごめんなさい」鴨の下桜は何度も心の中で詫びていた。
観客席にいた人達は全員台本を見ながら練習していた。
「そうなんだー私は明日弓矢で殺される。恭子はナイフで何度も刺されて殺されるんだ」
その時団長が恭子の側に駆け寄った。
「あ〜あ広君のおばあちゃんやり過ぎは駄目だって言ったじゃないですか〜明日が本番だったんですよ。死んじゃったら明日の処刑ができなくなっちゃったじゃないですか〜。仕方ありませんね
私達が処理しておきます。
そろそろお開きにしましょうか〜って思いましたが山田さんもやりすぎですよ〜死なない程度にって言ったのに明日処刑できなくなっちゃったじゃないですか〜こちらも処理しておきます。
明日の舞台の処刑は4人になってしまいましたねー。山田さんも前田さんもせっかくですから舞台は見て行ってくださいね。それじゃあもう23時なのでそれぞれの部屋に戻って寝てください
明日は予定通り山田さんと前田さん以外は8時にまたここに集まってください。ではおやすみなさい」
「おやすみなさい」そう言うと観客席にいた人達は全員戻って行った。
そして今、私の隣にいた水田恭子の遺体を団長とスタッフは?大きな人がすっぽり入るビニール袋に恭子を詰めていた。
そして大きな台に恭子を乗せて大勢のスタッフは恭子を連れて行った。
山本修二もまた大きなビニール袋に入れられ、台に乗せられどこかに連れて行かれた。
2人とも死んだのだ。
まだ明日じゃないのに恭子は死んだんだ。
鴨の下桜は恐怖で震えが止まらなかった。
鴨の下桜以外の3人も目の前で見た生々しい光景が脳裏に焼き付いて恐怖で身体ががたがたと震えていた。
3人の舞台本番の前夜は恐怖で眠れる状態ではなかった。
鴨の下桜と宮下和樹は友達が死んだショックで涙が止まらなかった。
4人は明日は自分が殺されるんだという恐怖で眠ることすらできなかった。
続く
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