十八話 アプリ

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十八話 アプリ

 菅原緑は偏差値が高くて有名な進学校に通っている高校2年生だった。  緑が通っている吹雪高等学校は入学した生徒のほとんどが卒業後有名大学に入り医者か教師になると言われていた。そんな吹雪高校に入りたいと思い勉強している中学生は毎年多い。  菅原緑も吹雪高校に憧れて吹雪高校に入学した1人だった。  中学までトップの成績だった菅原緑は吹雪高等学校では下から数えた方が早い順位の成績だった。  「この成績で大学に行かれるのか?」緑は悩んでいた。  緑の友人は早い授業のスピードでも顔色変えずに成績はいつも上位の方だった。廊下にテストの度に張り出される順位の上の方に緑の友人達の名前が貼り出されていた。  「はあ〜私は頭が悪いんだわ。皆んなとは違う」 緑がそんな事を考えてる時、学年で成績が5位の友人の森高柚木が声を掛けて来た。  「ねえ〜緑〜私さ〜玲子に聞いたんだけど今、高校生の中で流行ってるアプリがあるって知ってた?テレビでもよく取り上げられてるんだってさ〜この学校ってさ〜皆んな真面目に勉強してる生徒しかいないじゃん。流行りのものっていつも他の学校の子が知ってて流行りが終わる頃うちの学校の皆んながわかるってパターンじゃん。  このアプリもさ〜この学校の生徒だけ知らなかったのかもよ〜この学校ってさ〜真面目な生徒ばかりで息が詰まるんだよね〜。いつも学校終わるとすぐ帰宅するしさ〜うちらみたいにカラオケ行ってるような生徒ってあまりいないんじゃない?」 緑は言った「私もさ〜不思議なんだけどさ〜柚木〜なんでそんなにいつもいい成績なの?いつも私達と遊んでるのに?どこの塾行ってるの?今もアプリとか言って余裕だしね」 柚木は言った「塾なんて行ってないよ。たまたま勉強したところが出ただけだよ。それよりさ〜今日うちに来ない?玲子達にも声を掛けたんだけどさ〜その流行りらしいアプリをやってみようと思うんだ〜。1人用と2人用があるみたい。まずは1人用でやってみない?」 緑は「私は今日はちょっと家で勉強しないと〜柚木みたいに頭良くないからさ〜。アプリやったら明日感想聞かせてちなみにどんなアプリ?」 森高柚木は言った「玲子に聞いた話だとホラーゲームアプリで(かけら)っていう名前らしいよ。スマホでダウンロードしてみるね今〜あったあったこれだよ」 柚木はスマホでダウンロードしたアプリゲームを緑に見せた。 「えーと遊び方、まずは主人公に自分の名前を入力してください。その次に生年月日と学校の名前を入力してください。メアドも入力してください名前はペンネームでもいいです。住所の都道府県と何区まで入力したらスタートを押して始めましょう   このゲームは主人公の周辺にたくさんの怪物や幽霊が出没するのでそのお化けを倒しながら(かけら)と呼ばれている光るガラスを集めるゲームです1ラウンドを一ヶ月でクリアできた時は素敵なプレゼントが届きます。まずは何が欲しいか次から選んで登録しましょう。お菓子セット 果物セット野菜セットもし?一ヶ月でクリアできなかったらペナルティがあります。 2ラウンドも一ヶ月でクリアできたらもう少し豪華なプレゼントを用意していますので頑張りましょう上に行けば行くほど商品は豪華になります。って書いてあるねー。 でも、大丈夫?新手の詐欺とか?豪華なプレゼントなんて怪しくない?」 柚木は「大丈夫だって、高校生を騙してだれが得するのよ。変だと思ったら止めればいいだけだし、アプリ削除すればいいんだしね。それに日本の警察は優秀だよ」 「まあねー。考えすぎかもね〜私は皆んながやって安全だったらやってみようかな?それより成績悪いから遊んでる余裕はないわ〜今度勉強教えて〜」 「わかった。今度の日曜日緑の家に行って教えてあげるよ。と言っても教えられるほど頭良くないけどね」 緑はあんなに成績がいいのによく言うよ〜それにしても柚木って頭いいのにそれを鼻にかけたり勉強勉強って言わないところが柚木のいいところだよね。私もあんなふうに楽天的で頭が良くなりたいもんだよ。そう思いながら緑は柚木の顔をじっと見ていた。  「どうしたの?緑?私の顔に何か付いてる?」 緑は「何も付いてないよ」そう言って笑った。  「変なの〜?」 この時、菅原緑と森高柚木はこのアプリの遊び方の一番下に小さく一度始めたらクリアするまで止める事は許されないゲームです。そしてこのゲームは削除できません。そう書いてある文字に気が付いてなかった。  そしてペナルティがどういうものなのか? このゲームの本当の怖さを知らなかった。吹雪高校でこのアプリが大流行するまでは…… 何も知らなかった…… 続く  
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