十八話 アプリ【自宅】

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十八話 アプリ【自宅】

 菅原緑 森高柚木 千代田玲子 今田幸の四人は吹雪高校の帰宅途中にクラスメイトの望月遥の家に寄ろうという事になり望月遥の家に向かった。 電車に40分乗り望月遥の最寄の駅の日暮里駅から日暮里繊維街を通って20分くらい歩いたところに望月遥の家はあった。  「ここだよ。チャイム押すね」 今田幸はそう言うと玄関のチャイムを押した。 「ピンポーン、ピンポーン」 何度玄関のチャイムを押しても望月遥は出て来なかった。  「留守?そんな筈ないよね学校ずっと来てないし2階のあそこが望月さんの部屋かしら?カーテン閉まってるね。病院かな?」 「いないのかなー?」 「両親は仕事中なのかな?」 「仕方ない出直そうか?」 4人がそう思っていた時、玄関のドアが開いた。そこに立っていたのは確かに望月遥だったが、その姿はすっかり痩せて頬ががりがりに痩けていた。  そして全体ががりがりに痩せているせいか目元が窪み目がぎょろっとしていた。  今田幸は望月遥に聞いた「どうしたの?ご飯食べてるの?寝ているの?」 望月遥は四人に言った「高井戸男子高校の事聞いた?」四人は「聞いたよ。自殺者が出たって話しでしょう?」 望月遥は四人に言った「あれは自殺じゃないよ、高井戸男子高校の生徒は殺されたの。そして、殺したのは私、私が殺した高井戸男子高校の生徒は 亀山忍私の彼なの。私は彼を殺すしかなかった。  一ヶ月以内に3ラウンドクリアしないと、私には時間がない。私が殺されてしまう。だから学校 なんて行ってる場合じゃないの。寝ずに食事もしないで部屋に閉じこもってゲームをしないと駄目なの。だから私の事は放っておいて」 望月遥はそう言うとドアを閉めようとした。 今田幸は「待って」そう言い、望月遥がドアを閉められないように力一杯押さえた。  そして今田幸は望月遥に言った。 「そんな危険なゲームならすぐ止めなよ。削除しなよ」 今田のその言葉を聞いて望月遥は4人に言った。  「削除なんて出来ないよ。このゲームはクリアしない限り止める事は出来ない。それは携帯を触らないようにしても無駄だよ。ゲーム自体は生きてるんだよ。私はゲームに支配されてるんだよ。  もう私に構わないで早くしないと早くしないと奴らに殺される。今度は私が殺される番なの」 そう言うと望月遥は自宅の玄関のドアを閉めた。 4人は何度も遥を呼んだが遥が玄関のドアを開ける事はなかった。  今田幸は「とりあえず今日は帰ろう。それよりゲームなのに削除できないってどう言う事なんだろう?森高さん千代田さん二人はゲームやって るんだよね?解除できなかったら二人も危ないかもしれない。まだ2ラウンドなんだしもしかしたら解除できるかもしれない。あそこに公園があるじゃんあそこの公園のベンチに座って解除できるか確かめた方がいいんじゃない?危ないゲームだとしたら解除した方がいいよ」そう言った。  柚木と玲子は「そうね。望月さんの様子おかしかったわ。殺されるとも言ってたし、彼を殺したとも?でも高井戸高校の生徒は自殺したって聞いたけどね?とにかく削除できるか試してみるわ」 四人は望月遥の家の近くにある公園のベンチに座った。  「じゃあ解除してみるね」  そう言って玲子と柚木はスマホのアプリ(かけら)を長押しした普通長押ししたら解除するか?しないか?と言う言葉がスマホ画面に出る筈だそして解除を押せば解除になる筈だ。  ところがアプリを長押ししても解除しするか?しないか?と言う言葉は出てこなかった。  それどころかまるでアプリ自体に命が宿ってるようにゲームの途中の画面に戻った。  そしてゲームの画面にいきなり赤い文字が出てきた。その文字は「このゲームはクリアするまで解除する事は出来ません」と書いてあった。   森高柚木と玲子は「えっ?どう言う事?もしかしていずれ私達も自分の命を守る為に誰かを殺さなければならなくなるって事?友達を殺さなければならないって事?クラスメイトと戦う事になるってことなの?」 玲子と柚木は恐怖に怯えていた。 そして二人は言った「望月さん誰かに追いかけられてるみたいだったね。私達も誰かに追いかけられるって事?」 緑と今田幸は玲子と柚木に掛ける言葉がなかった。  続く
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