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十六話 こけし
ここは田舎町100年以上前まで開催していたというこけし祭りをまた開催して町おこしをして若者を呼び込もうとしていた。昔はたくさんの若者が住んでいた田舎町も今は高齢者ばかりが住んでいる。若者はみんな都会へと出て行った。
今、私達は町会の会議でこけし祭りを開催する話し合いをしている。
「それじゃあ、三ヶ月後に開催でいいかい?
土日の二日間開催でいいかな?この町はもう活気がないし年寄りばかりだからの〜若い人がこれ以上都会に行ってしまったらこの田舎町は廃れてしまうからの〜」
「そうだな〜幸い100年以上前のこけし祭りは
どんなものかご先祖様が残したノートがここにあるからね〜」
「昔はこのお祭りのお陰でこの田舎町は活性化したらしいからな」
「もうこのお祭りで外から若い人を呼び込むしかないよ」
「この山でキノコを取って売る事も年寄りには堪えるしの〜」
「若い人の助けが必要だよ」
「そうよね〜年寄りだけでは仕事がきつい若い人に助けてもらわないと」
「皆んな賛成でいいな。ここに住んでいる若い子も東京に行かないようにこのお祭りを成功させないといけない」
「わかりました。娘がテレビ局に勤めているので番組内の特集コーナーで全国的に宣伝してくれるそうです」
「私はチラシを作りましょう。新聞の折込にも入れてもらいましょう」
「私は息子にネットで宣伝してほしいと頼んでおきました」
「小学校2年生まで限定で小さな手作りこけしとお菓子セットを来た子供達全員に渡すんですね。
お菓子屋さんに頼んでおきましょう」
「ここはこけし職人が多いのにこけしを作る職人もこのままでは高齢者ばかりで後継人すらいなくなってしまう。若い人がこれ以上東京に行かないように食い止めなければならない」
「そうですね。この田舎町には若い人が必要です。町会長やりましょう。皆んなで力を合わせて」
私はこの時、100年以上前まで開催されていたこけし祭りの事をまだ何も知らなかった。町会長が受け継いでいるというご先祖様が残してくれ たノートをまだ誰も見せてもらっていなかったのだから。
私達は何が何でもどんなお祭りでもこのお祭りを開催させるしかなかった。町が活気を取り戻す為に〜町が死なないように……
続く
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