018/ただの家族、の素晴らしさ

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018/ただの家族、の素晴らしさ

こどもの日だから菖蒲湯。朝から真弓と二人で菖蒲の葉を仕込んで、風呂上がりのサービスで柏餅やちまきを振る舞った。そのせいか子供連れが多かったな賑やかで楽しかった。子供達が描いてくれた真弓、マミたまの似顔絵を、真弓は大事にフレームに入れてロビーに飾っている。真弓は子供好きなんだ。 俺と出会わなかったら、俺とこんな関係にならなかったら、意味のない自戒をぐるぐる巡らせて、ごめんな俺なんかと付き合ったせいで、そんな時真弓は笑いながら言うんだ。関わった全ての子供は他人のとかそういう括りじゃなくて俺の子供だと思ってる。まっすぐで揺るぎない真弓。俺は俺と出会った人全てが幸せになって欲しいと思ってる。そうかでも幸せの定義は人それぞれだ、リウが思う以上に俺はリウを思っているからな。真弓は俺の暴走気味の心を全部わかってて、その上で俺を受け入れてくれる。昔から変わらない真弓の心を、俺は有り難く受け止める。大体なリウ一人だけでも大変なんだぞ、まるででっかい子供だからな。確かにそれは自覚してる我儘だしアレだしほんとすいません。 銭湯閉めて、真弓の作った夕飯を一緒に食べる。今日は俺の好きな手巻き寿司だ。リウちゃんとカイワレも食べろよ、真弓の静かな声が、俺の葛藤を全て押し流していく。 そうだな、俺たちは色々とうに超えた、ただの家族。そんな最上級なものになってるんだな。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 佐久イヌ140の日常 378-381まとめ 加筆修正 2024.9.21
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