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♪笹の葉さらさら軒端に揺れる〜……
「みんな〜来てる〜?」
「準備はいい~?」
「「じゃ、星祭り開催〜!」」
7月7日、清華星祭りがやってきた。午前中で授業が終わり、午後4時の現在。双子により、ゆるっと開催宣言がされた。
「木島、どうする?」
たずねてくる栗見。今日は風紀の仕事はなく、緊急時の呼び出しや現行犯発見とかがない限り、好きにしていいと言われた。と、いう訳で今回は栗見と回るのだが
「書紀はいいのか」
「ひ、浩様は花火のときに会うからいいの!」
ぽっと顔を赤くして栗見は答えた。しかも浩様呼びで。くっつくのも時間の問題だな。
ああ、それに花火。清華星祭りの最後の締めくくりは豪華な10分間の打ち上げ花火だ。生徒の多くは恋人や好きな人を誘って花火を見る。俺は去年通り一人で見るだろうけど。
「ねえ木島、射的しよ、射的」
「はいはい」
まぁ、いいか。栗見楽しそうだし。
─数分後。
「うう駄目、全然取れない」
栗見はがっくしと項垂れた。さっきまでの元気どうしたんだ。
「何が欲しいんだよ」
「コーヒーと紅茶のティーバック詰め合わせセット」
射的の景品なのか……?もう俺はツッコむことを放棄する。仕方ない。
「おにーさん、俺も」
「かしこまりました」
屋台の人に1500円渡す。高い出費だ。
「え、え、木島取ってくれるの?でもあの位置じゃ無理でし」
「当たった」
「何で?!」
「射的はじいちゃんの田舎の祭りで、よくやってたからな」
嬉しいけど悔しい…とつぶやく栗見の手に詰め合わせセットを乗せる。
「じゃ、お金渡すから、」
「別にいい。来月だから早いけどな」
栗見は俺の言葉を聞いて、ぽかんとした後気づく。
「あ、誕生日プレゼントなの?!」
8月7日は栗見の誕生日。夏休み中で、昔から周りに祝われないと前に言ってた。
「木島がかっこよく見える。熱中症かな?」
……照れ隠しが辛辣だな。これが栗身なりのありがとうなんだろう。
「どういたしまして」
あえて素直に応答しても栗見は嬉しそうだった。祭りパワーか。
─その後も、栗見がクレープやら綿あめやら食べているのを眺めていると、あっという間に花火の三十分前になった。
「じゃ、僕は浩様のところ行くね」
「ん」
さて、暇になった。
「……風紀室行くか」
どうせ祭りの間は寮に帰れない。一応風紀の緊急の仕事が無いとも限らないからな。と、思っていたら、電話が鳴り始めた。
「はい」
『木島か?今どこにいる?』
「りんご飴のところです」
『至急、焼きそば前まで来てくれ』
ブチッ…ツーツー。
……有給休暇って取れないのか。
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