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「稔」
朝、ベットの上。帝の声がぼんやりと眠い頭に響く。そして、俺の方に手が伸び─
「朝から盛るな」
昨日あれだけヤっただろ、と帝の両頬をむにーと伸ばす。
仕事も終わり、帝の家に泊まっているが、毎日ヤってばかりだ。爛れた夏休みである。
受験生なのに勉強しなくて大丈夫なのかと思うかもしれないが、帝は学園の付属大学にそのまま進学するつもりだし、3年間ずっとテストで首位を保っているので、俺はあまり心配していない。
「お前がくっついてくるから」
ムスッとした顔ですね始める帝。
「帝のほうが可愛いけどな」
「俺を可愛いなんて言うのはお前くらいだ」
ちゅ、ちゅと俺にキスしまくる帝。
朝の8時前、キングサイズのベッドでいちゃつける。夏休みっていいな。
「今日の昼飯、パスタがいい」
「海鮮か?」
「そう」
帝は俺と付き合い始めてから料理を始めた。最初は俺が教えていたが、すっかりハマってしまったようだ。今じゃ俺よりうまい。
「あさり、ある?」
「昨日の午前中買っておいた」
さすが帝、千里眼でも持っているのだろうか。
「稔、朝飯出来てるぞ」
帝は俺をいつも甘やかす。本当を言えば、俺も甘やかしたいのだが、また別の機会にするとしよう。
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