12.夏休み突入

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* 「稔」 朝、ベットの上。帝の声がぼんやりと眠い頭に響く。そして、俺の方に手が伸び─ 「朝から盛るな」 昨日あれだけヤっただろ、と帝の両頬をむにーと伸ばす。 仕事も終わり、帝の家に泊まっているが、毎日ヤってばかりだ。爛れた夏休みである。 受験生なのに勉強しなくて大丈夫なのかと思うかもしれないが、帝は学園の付属大学にそのまま進学するつもりだし、3年間ずっとテストで首位を保っているので、俺はあまり心配していない。 「お前がくっついてくるから」 ムスッとした顔ですね始める帝。 「帝のほうが可愛いけどな」 「俺を可愛いなんて言うのはお前くらいだ」 ちゅ、ちゅと俺にキスしまくる帝。 朝の8時前、キングサイズのベッドでいちゃつける。夏休みっていいな。 「今日の昼飯、パスタがいい」 「海鮮か?」 「そう」 帝は俺と付き合い始めてから料理を始めた。最初は俺が教えていたが、すっかりハマってしまったようだ。今じゃ俺よりうまい。 「あさり、ある?」 「昨日の午前中買っておいた」 さすが帝、千里眼でも持っているのだろうか。 「稔、朝飯出来てるぞ」  帝は俺をいつも甘やかす。本当を言えば、俺も甘やかしたいのだが、また別の機会にするとしよう。
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