13.体育祭の始まり

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「愛の力って偉大だね」 栗見は乙女モードのようだ。 「じゃあ書紀サマのために50m走で一番取ってこいよ」 「それは無理、だって僕スポーツテストで10秒台だったもん」 小学校からずっと最下位だって言ってた気がする。 「そういえば俺、書紀の笑ってる写真持ってるぞ」 「えっ?!急に何?……ちょっ、どこで…見せてよ」 「お前が短距離走で一番取ったらな」 「っ〜!!もう、取るよ、一番になる!」 帝から前に送られてきた、子猫とじゃれている書記の写真がこんなとこで役立つとは。 結果、栗見は他のやつに目もくれず爆速で1位を取った。 「はぁ、はぁ、…ほら、写真!早く!!」 目がギラついてるから怖い。 「ほら、送ってやるから」 そして送られた写真を見て、栗見は幸せそうに笑った。そこをすかさずパシャリと撮る。 「ちょ、今撮ったでしょ!」 「撮ったけど?」 「もう、絶対変な顔してたもん!消して!」 「やだ」 消して消してという栗見を無視してL〇NEを開く。そして帝に今取った写真を送る。 『帝、この写真極秘ルートで手に入れたとかなんとかいって書紀に送っといて』>稔 『(栗見が満面の笑みで写ってる写真)』> 帝<『了解』 「聞いてる?…もう、小波様の写真くれたからいいや」 つん、と横を向く栗見。早く書紀とくっつかねえかな。委員長と副会長を見ていてもわかったが、両片想いは見ているこっちは、はよくっつけと思うばかりだ。 ──1時間後 帝<『お前の写真は無いのか』 『(稔の腹チラ自撮り;顔は写ってない)』>稔 『どーぞ』> 帝<『……』(顔が写ってる写真がほしいが、これはこれで良いので何も言えない)
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