15.不穏なメモ

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15.不穏なメモ

体育祭も終わりやっと一息つける、と思っていたが、残念なことにそうはいかないらしい。 朝、机の中に一枚のメモ用紙が入れられていた。そこには 『お前の秘密を知っている』 とだけ書かれていた。 正直胡散臭いし、どうせいたずらだろう。まあでも、一応警戒はしないといけない。なんせ俺の彼氏、生徒会長なんで。 「木島、どうしたの?眉間にしわ寄せで」 「変なもん入れられてただけ」 栗見がやってきたから、俺が持っているメモを見せると、うげ、と嫌そうな顔をされた。 「そんな子どもがやるみたいな嫌がらせってまだ存在してたんだ。やるならもっと堂々とやってほしいよね」 栗見らしい意見ではある。何なら再起不能にするまで返り討ちしそう。 「まあ、気をつけなさいよ。木島、敵多いんだから」 「そうだな」 そうしてとりあえず、俺はメモをカバンの中にしまった。
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