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20.委員会会議
*
「委員会会議ですか」
「ああ毎年思うが文化祭前の忙しい時に何で行うんだ」
委員長が眉間を指で解しながら苦々しく言う。ああ、すっごく面倒くさい。今回は緊急会議じゃなくて定例会議だから、まだマシだけど。
何がめんどくさいって?……毎度金持ちの顔面のいい個性強めな役職持ちが総出するから顔合わせるだけで疲れるんだよ。
「帰っていいですか」
「諦めろ」
*
某日。外の天気は曇りなのに今いる部屋は眩しい。
顔面キラッキラの役職持ちたちに囲まれて、目が潰れそう。サングラスかけたいくらいだ。
「それでは20xx年度、第一回委員会会議を行います。本日進行役を務める生徒会副会長佐渡です」
「いずみん、それみんな知ってるよー」
「「知ってるー!」」
会計と双子突っ込まれ、佐渡が静かにキレる。笑顔でブリザードを放つもんだから怖いんだがあいつらは慣れているのだろうか。
「静かにしてもらえます?……ではみなさんもうご存知のようですので活動報告を行ってください」
副会長、少しふてくされて投げやりになっているのは可愛い、と思うが横の委員長の笑顔がうざい。「俺の泉は可愛いだろ?」って今にも言いそう。
「えっと、環境委員会から初めてもいいですか?特に話すこともないと思うので…」
手をと挙げてそう言ったのは三年の相園ひまり。実は副会長に次いで抱きたいランキング2位の人でもある。
「今月は清掃員さん達と校内の掃除をしたのと、一部トイレの水道が故障していたみたいなので、修理の依頼をしました。それと中庭に新しく購入したネモフィラの苗を植えました!来年の春には咲くと思います」
にこにこと話す相園に癒やされる。はじめの自己紹介のときお花が好きだから環境委員長になりました、と言っていたくらいだからな。
「水道修理の話は聞いている。来週になると生徒会の方に電話が入った」
「会長?私はそんな話聞いてませんけども?」
何ですぐに言わないんだ、と再び副会長からブリザードが……。帝はさっと目をそらした。
「それはともかく、ネモフィラを植えたんですね。春のいつ頃咲くんですか?」
「4月頃です!僕達三年生は見れないけど、きっと青い綺麗な花を咲かせますよ」
抱きたいランキング1位、2位の話す姿はやっぱり凄い。あそこだけ花が舞っているように見える。
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