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山登りの夢路
「今日は寒いなあ」
「そうだね」
友人と私はお互いに話す。今日は山登りにやってきた。ふたりともふるえる。歩いていくとだんだんと温かくなってくる。ずいぶんと熱くなってきた。汗が流れる感覚がする。
ハッと目を覚ました。朝の事が夢に出てきた、しかしいつの朝だったろうか。今は猛吹雪で山小屋から出られない。私は汗を拭う。さっきまで声が聞こえた気がする友人はふるえていたのに動かない。私は眠気を感じ、また目を閉じた。
救助隊員は二人の遺体を発見した。雪山の中なにもないところで見つかった。しかしなぜかあの猛吹雪のなか、埋もれていなかったのである。それについては神のみぞ知るだろう。
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