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「いただきまーす!」
無事に休憩スポットへ着いた一行は早速フルーツサンドを食べ始める。不安そうだった少年の表情も心なしか和らいできている。
「リーリーがたくさん食べると思って多めに買ってきていてよかったよ」
みんなで外で食べるフルーツサンドは格別においしい。山頂付近の開けた景色もとても開放的だ。
「ケンジー!どこー?」
格別な秋の景色に浸っていると、不意に遠くから声が聞こえてきた。
「ママだ!」
一緒にいた少年が急に跳びあがり叫んだ。そして声が聞こえた方へ勢いよく走っていく。シャオランたちも急いで後を追った。
「ケンジ!よかった、無事で」
声の主である少年のママらしき女性が少年を見つけるとぎゅっと抱き寄せた。
「このお姉ちゃんたちが助けてくれたの」
少年が駆けつけたシャオランたちを指して女性に言った。女性は3人を見ると
「そうだったんですね。ありがとうございます」
と言ってお辞儀をした。
「そんな、助けたって程のことは...」
どうやら母親が見つかった様子でほっとしたシャオランが言いかけると
「迷子になっていた僕をパンダが見つけてくれたの!」
と少年がうれしそうに言った。
「パンダが?」
女性は驚いた様子で少年に聞き、シャオランの肩の上に乗っているリーリーを見つめた。
リーリーは少し自慢げにへへへっと笑った。そしてしばらく会話をし、あいさつを終えると
「またフルーツサンド食べようね!」
と少年はにこにこ笑いながら手を振った。そして3人は少年たちと別れた。
「お昼ご飯も食べたし、いろいろ楽しんだし、私たちもそろそろ下山しましょう」
シャオランが言うと
「そうだな!」
とネムが答えた。
3人は下山し、バスや電車に揺られ、それぞれの家に戻った。
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