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待っているのは、窓枠では収めきれない広大な海。いつ見ても鮮やかで、青く透明にきらきら輝く、誰が見ても手を伸ばしたくなる絶景をこの男は独り占めしているのだ。
余談ではあるが、嵐のあとの海は綺麗だと聞く。きっと、美しいのだろう。
茫然としていても、レンジは温め終わったことを音で知らせる。
その知らせを頼りにレンジの元へ歩く。温まったお弁当を手に持ち、インクで変色してしまった机に置く。その場を置いて、常備してある水をやかんに注ぎ、火を点ける。
赤く、青く燃える炎がやかんの底に焦げをつくろうとしている。
まだ朝は寒い。味噌汁のひとつでも飲みたくなったのだろう。
お礼の言葉とか母のお腹の中に忘れたと言った顔で朝御飯を食べていた。
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