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夕刻のこと
ある日の夕刻のこと。
「いやあああ、たすけてえええ!」
男が涙目で叫びながら走っていた。
「ど、どうして俺がこんな目に遭わないといけないんだ。俺がなにしたっていうんだよ!」
『君はなにもしてないよ』
その声に男はビクリとする。
ビビりながらも精一杯の声をだす。
「どういうことだ」
『君はただの…』
声が一瞬途切れる。
『暇つぶしの道具だよ』
次の瞬間男の視界が暗くなる。
と同時に生温かい感触が襲った。
襲ったそれからは、鼻がもげそうなほどひどく臭かった。
そのせいで男はひどく悶絶。
臭いに考えを奪われたせいで、さきほど襲った感触のことなどどうでもよくなり。今は早く悪臭から解放されたかった。
『君いい顔だね~』
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