放課後

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放課後

 放課後の美術室……。 「あの~、上野夏いますか?」  その声に、美術部員の女子たちが、 一斉に振り向くと学校一のモテ男 梶本恭介の出現にザワついた……。    部室内のザワザワに気づいた部長の川内、  恭介のもとに近づくと、  「上野さんに用事? 彼女、今、葉山先生と 中庭横の倉庫に備品を取りに行ってるけど……」  「そうですか……。じゃあ、俺そっちに 行ってみます。じゃあ」  恭介は川内に軽く会釈をすると、歩き出した。  「梶本君……」  川内が恭介を呼び止めた。  振り返った恭介が、  「何ですか?」  と言った。  「君、いつも上野さんといるよね?」  「あっ、はい。夏とは幼馴染なんで」  「へ~、幼馴染なんだ」  「はい、ガキん時からずっと一緒ですね」  「その、梶本君は、上野さんの好きな人とか 知るわけないよね……。誰か気になる人とか いるのかな?」  「あ~、それは、どうですかね?」  「そうだよね、幼馴染でもそいういうことは 知るはずないよね~。ごめんね、変なこと聞いて」  「いいですよ。別に……そう言えば先輩、 夏に絵のモデル頼んだんでしょ?」  「あ・ああ、そうだけど。上野さんから 聞いたんだ」  「はい、昨日の夜中に……」  「夜中に?」  「はい……。俺等、夜中に色んなこと 話すんですよ」  少し驚く川内を見てクスッと笑うと恭介は、  「じゃあ、俺、倉庫に行ってみますね。  先輩、部活頑張ってくださいね!」  と言うとその場から歩き去った。
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