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八
↓雪中行軍記念像(フリー写真)
夜の十時。雪中行軍記念像の下に、スーツ姿のアリマ氏が腕を組んで立っていました。
突然、照明灯がアリマ氏を取り囲みました。
「行きましょうか?」
松山警部が声をかけてきました。十人以上の刑事、警官が記念像を取り囲んでいます。
「一瞬で勝敗は決した。あなたの聡明な判断に期待します」
獅子内記者が薄笑いを浮かべました。アリマは無抵抗のまま逮捕されて二十年間の懲役に処せられ、Z国は、
「指名手配の犯罪者である。わが政府は犯罪者の動向に責任を持たぬ」
と表明しました。
皆さん。これでZ国の侵略が終わったわけではありません。謎の女性が、どうしても日下くんを自分のポケットの中へ連れて行こうとする時、再び大間崎にはZ国のゴムボートが到着するかもしれないのです。
終わり
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