第1章

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 気分は沈んだまま帰路につく。  家の扉を開けると母と父が立ち構えていた。 「ただいま……」 「おかえり。テストを出しなさい」  母にそう言われ大人しくテストをカバンから出す。  半分に折りたたんだテストを広げた父と母は血相を変えて私を見てきた。  父は勢いよく私の髪を掴み私を引っ張る。 「いたっ……!いたい!お父さん痛い!」  私の訴えなんて両親の耳に入らない。  リビングへと連れていかれ私は椅子へと放られた。 「いたっ……!」  顔を上げると父は私を睨めつけていた。 「早く座れ」  冷えきった声で父がそういう。  私は静かに立ち上がる。  立ち上がった私の足は震えていた。  椅子へと座ると母が私の前に小テストを突きつけてきた。
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