第4章

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「禁忌を決めたのは確かに歴代の神達です。そして、その禁忌を生かし続けるかを決めているのは現在の神。つまり私なんです。さっきも言いましたが私はこちら側で結ばれてはいけなんてことあってはダメだと思うんです。ですが、禁忌を続けている。何故だと思いますか?」  そう聞かれ、私は考えた。  けれど、私よりも先に七都が答えを導き出した。 「現実世界で自ら命を絶った。そして、こちら側に来た。自ら生き続けて幸せになることを選ばなかった。そんな俺たちが易々と幸せになることを考えちゃ行けないんだ。禁忌を犯せば世間一般的に良いイメージはない。幸せになるため、過去の自分と向き合うため、そんな理由から禁忌という名目をつけているってとこですか?」  目の前の神は拍手を鳴らした。 「ほとんど正解です。禁忌という名に良いイメージを持っている人なんて相当居ません。そして、自ら生きるという道から逃げた。なのに、こっちの世界は前のように苦痛がないから幸せになれる、なりたい、なんて簡単に思っては意味がありません。だから、禁忌という名目でどれだけの人達が勇気と覚悟を持っているのか。だから、禁忌を生かし続けているのです。」
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