第4章

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 過去を持つことなくその言葉を聞くと酷い言葉だ。 「その中で貴方たちはただ、禁忌を破るだけではなくて、禁忌を犯すことに対して立ち止まりましたね。禁忌を犯す方々は今まで沢山見てきましたが、貴方達のような方にははじめて出会いました。せっかく結ばれたのにそんな運命と偶然と奇跡を一方的に切り捨てることは出来ません。」  七都も私も黙り込んで聞いていた。  神の微笑む声と間が空いて続いた。 「お2人が幸せになることを願って新しい未来へと送り出しましょう」 「え……」  思わず言葉が出てしまった。 「お2人にはこれから新しい人生を送ってもらいます。これまでの記憶は消さずに残しておきましょうか。それもまた2人が結ばれた理由ですからね。」  そう言われ私たちの足元に丸い円が描かれた。  こんなに早く事が進むなんて誰が予想しただろうか。
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