2人が本棚に入れています
本棚に追加
しかも生きている望みは極めて薄い。
残された者が平常心でいられるわけがない。
そんな中、おばあちゃんがいなくなって二週間が過ぎた頃のことだ。
その日僕は、おじいちゃんの部屋の前を通ろうとした。
そして気づいた。
部屋に入り口の引き戸が少し開いていることに。
僕は思わずその隙間から部屋を覗き込んだ。
そこにおじいちゃんはいた。
その時おじいちゃんは、胴体のない首だけになったおばあちゃんを両手で持ち、そのおばあちゃんに口づけをしていたのだ。
終
最初のコメントを投稿しよう!