鍵のかかった部屋

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普段はおしゃべりなのに、いきなり無口になった。 話しかければ必要最低限のことは返すが、それだけ。 おまけに表情その他から、一切の感情か消え失せたかのようだ。 その顔は常に能面かマネキンのようになり、そこに喜怒哀楽と言った色は全く存在しない。 生きている人間とは思えないほどの雰囲気を漂わせているのだ。 それと同時に自分の部屋に鍵をかけるようになった。 もともとおじいちゃんの部屋に鍵などなかったのだが、自作で鍵をつけたのだ。 そして部屋を出る時には必ず鍵をかけ、部屋にいる時にも鍵をかけているのだ。 お母さんが「お掃除しますから」と言っても「わしがやる」と言って部屋に入らせない。
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