鍵のかかった部屋

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そして四日目には、まだみんながおばあちゃんを探して走りまわっていると言うのに、食事やトイレなどの必要なとき以外は、部屋にこもるようになってしまった。 「おばあちゃんがいなくなって、ショックをうけたんだろう」 お父さんもお母さんもそう言い、そっとしておくことにしたようだ。 六日目、この雪の中で何日も生きられる人はいないだろう、と言った人がいた。 それはみんなが思っていたことだが、誰も口に出さなかったことだ。 しかしそれをきっかけに、捜索活動が鈍ったのは確かだ。 お父さんも仕事をするようになったし、お母さんも日常に戻りつつある。
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