身を切られるようにツライ想い

3/5

35人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
 あぁ、もうどうしよう。  あっちゃんに『ラブレター返して』なんて恥ずかしくて言えない。  そしてもし、あっちゃんが中を読んでいたら……!  失恋の傷口に塩を擦り込まれるようなアクシデント! 「はぁぁぁぁぁぁぁ……」  授業前の講義室にも関わらず、周りの学生がびっくりするようなため息をついてしまった。  あぁ、もう嫌だ。恥ずかしい…。  恥ずかしさのあまり机に顔を伏せていると、誰かが私の肩をトントンと叩く。 「でっかいため息な。入り口まで聞こえたぞ」  圭斗が笑いながら私の横の席に座る。 「んー、ちょっとショックなことが立て続けにあってね…」  顔をあげ、次の授業のノートを広げる。 「……ダイエットはもう良いのか?」 「へ?あー…うん。もう辞めた」  確かにあの日以来甘味制限も解除したけど、そんな気力すら湧いてこない。 「じゃあ、今日の授業終わったら『Rock』に行くか?『紅葉パフェ』明日までらしいぞ」  あぁ、良いな。  甘い物を食べる事もストレス解消になるかもしれないが、今の私には圭斗の存在がありがたく、特に優しさが身に染みる。 「うん、行く」  圭斗は私の返事に微笑み、「無理するなよ」と私の頭を撫でた。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加