ポケットの中に忍ばせた想い

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 里穂ちゃんに電車の時間訂正を伝え、ママを待つ。  あ、そうだ。  私は机の鍵の掛かった引き出しから、1通の封筒を取り出した。  中の手紙を取り出し、誤字脱字が無いかの最終チェックをする。  手紙の内容を読んでいくにつれて、私の心臓が暴れだす。  今朝の合格発表といい、今日は心臓大忙しだな。  3年間ずっと好きだった浩輔へのラブレター。  直接言葉で伝えるには勇気が無さすぎて、だけど想いを伝えたくて入試が終わったその日から一昨日まで、じっくり言葉を選びながら1字1字丁寧に綴った。  いつも一緒にバカなことを言い合って、笑い合っている時もときめいていた事。  勉強を教えてくれって言われた時、本当は嬉しかったのに勿体ぶってしまったのを後悔した事。  浩輔のおかげで3年間が充実していて、楽しかった事。  私は手紙を封筒に戻し、ノリで封をした。  封筒の裏側の端に『恭子』と記入する。  高校から帰ってその足で、中学校へ合格を報告しに行く予定だ。  浩輔は東工業高校を受験した。  浩輔も合格していれば、春から毎朝私と同じ路線の電車に乗ることになる。
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