35人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
里穂ちゃんに電車の時間訂正を伝え、ママを待つ。
あ、そうだ。
私は机の鍵の掛かった引き出しから、1通の封筒を取り出した。
中の手紙を取り出し、誤字脱字が無いかの最終チェックをする。
手紙の内容を読んでいくにつれて、私の心臓が暴れだす。
今朝の合格発表といい、今日は心臓大忙しだな。
3年間ずっと好きだった浩輔へのラブレター。
直接言葉で伝えるには勇気が無さすぎて、だけど想いを伝えたくて入試が終わったその日から一昨日まで、じっくり言葉を選びながら1字1字丁寧に綴った。
いつも一緒にバカなことを言い合って、笑い合っている時もときめいていた事。
勉強を教えてくれって言われた時、本当は嬉しかったのに勿体ぶってしまったのを後悔した事。
浩輔のおかげで3年間が充実していて、楽しかった事。
私は手紙を封筒に戻し、ノリで封をした。
封筒の裏側の端に『恭子』と記入する。
高校から帰ってその足で、中学校へ合格を報告しに行く予定だ。
浩輔は東工業高校を受験した。
浩輔も合格していれば、春から毎朝私と同じ路線の電車に乗ることになる。
最初のコメントを投稿しよう!