くすぶっていた想い

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くすぶっていた想い

「恭子、昼からの講義のレポートちゃんと終わったか?」 「おぉ、圭斗ぉ…。徹夜でなんとか終わらせた…眠いわ~」  私は大学2年生になった。  この背の高いメガネ男子、圭斗は1年生の頃から仲の良い男子。  お互いスイーツ巡りが好きで、大学周辺の色んなカフェで何度も鉢合わせしたことがきっかけでよく喋るようになった。  実は半年前「俺ら付き合わないか?」って言われたけど、私の心の中でまだ消化不良の恋が残っているので受け入れる気分になれなかった。  それでも変わらず仲良くしてくれる圭斗。ありがたい存在だ。 「自分でやったなら偉い、偉い。ご褒美に『Rock』のパフェを奢ってやるよ」 「あー…来週から『紅葉パフェ』販売って。今年こそ食べたかったんだぁ……」  私は『Rock』のSNSに上がっていた画像を思い出しては、ウットリする。 「げ。それ高いだろ」 「うん、高い。そして私は『20歳の集い』に向けて、ダイエット中……」  喫茶『Rock』の『紅葉パフェ』は秋限定の商品で、食べるなら今しかない。  だけど4ヶ月後に開催される『20歳の集い』に向けて、3ヶ月ほど前から私は甘味を出来るだけ控えているのだ。
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