くすぶっていた想い

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『20歳の集い』は地元主催なので、浩輔に会える確率が高い。  折角だから、キレイになった私を浩輔に見せたい。  そして更にこの消化不良の恋、実はまた始まってしまっているのだ。  3か月前、地元の駅のホームで浩輔を見かけた。  社会人になっているのか、スーツを着こなした浩輔はとても格好良く、大人だった。  ヤバい、どうしよう。  くすぶっていた恋の炎がまた燃焼し始める。  だけど今の浩輔の事を知っているわけではない。  もし告白するなら、ちゃんと会って話をして今の浩輔を知って、今の私を知ってもらってからにしたい。  ……そんな事を言い訳にして、実は告白が怖いのだ。  中学生の頃は何の考えも無しに勢いで告白しようとしていたけど、流石に大学生の私にそれは恐ろしくて出来ない。  歳をとると柔軟さが失われて、ダメージを恐れて臆病になりがちだ。  とにかく再会するまでにキレイになって、自分に自信を付けたい。  そんなわけで高校時代から溜め込んだ余分な脂肪を落とそうと、今、必死にあがいている。  
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