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「なぁ、もしかしてさ。恭子、好きな奴でも出来た?」
圭斗が神妙な顔をして尋ねてきた。
「は?いや、ダイエットは『20歳の集い』の為だって。同級生に会うのに、やっぱりちょっとでも痩せていた方がいいじゃん?」
鋭いなあ……と感心しながらも、やっぱり圭斗に本当の事を言うのは気が引けた。
「まぁ、ただ痩せればキレイになるわけじゃないだろうけどさ。なんか恭子、ここのところ本当にキレイになってきた気がして」
真顔でそんな事をいう圭斗に、私は思わず赤面する。
「そ、そう?ありがとぉっ。ちょっとね、お化粧とかも勉強しているんだ」
お小遣いで少しずつアイテムを購入して、毎日メイクアップの練習をしている。
着る物も、ヨレヨレの服はやめて清楚な感じを意識している。
だって、もしかしたらどこかで浩輔にバッタリ会うかもしれないし。
「あー、成程。目の下にアイシャドウ入れるのは、最近の流行か?」
「目の下……それはクマだ!レポートのせいで最近寝不足なの!」
くそぅ。
やっぱりクマ隠しのコンシーラーも買わなきゃいけないか。
実のところお小遣いはメイクや服に消えて、甘味どころではなくなっていた。
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