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身を切られるようにツライ想い
秋が深まる頃、大学からの帰りの電車内。
ふと気がつくと、少し離れた席に浩輔が座っていた。
だけど私は話しかけることが出来なかった。
私はすぐに背を向けて、震える肩をぎゅっと両腕で抑えつけた。
浩輔の家の最寄り駅に停車すると、やはり彼は降りていった。
―――隣に座っていた、可愛い女の子と二人で。
車窓越しに見えた彼は、見間違いではなくやっぱり浩輔だった。
ただ、私の事なんて気がつくはずもない。
隣にいる彼女しか眼中にありません、と彼女に向ける優しい微笑み。
当たり前の事だけど私は見たことが無い、大人になった浩輔の微笑み。
馬鹿だなぁ、私。
5年間も会っていないのに、勝手にまた好きになって、勝手に失恋して……。
「引くわー……」
言葉とは裏腹に、大粒の涙が溢れる。
泣いている顔を人に見られないように扉に張り付いて、次の停車駅を待った。
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