隼人の謝罪

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隼人の謝罪

玄関のドアが開いたと同時に沙織が 飛びついて来た 「隼人さ〜ん!会いたかった」 隼人は落ち着いて抱きついた沙織の腕を ゆっくり剥がすと、母親に案内され 父親の座るリビングにやってきた 部屋に入るとすぐ隼人は土下座をして 今回の件を詫びた 「この度は僕の身勝手な行動により  皆様に多大なご迷惑をおかけした事を  心からお詫び申し上げます  本当に申し訳ございませんでした」   父親は怒りを抑えて 立ち上がるとソファーに座るよう促した そして、しばらく沈黙が続いた後 「経緯はある程度理解している これからどうするつもりだね?」と尋ねた 気まずい空気が漂ったが 隼人は罵倒される覚悟で胸の内を話し出す 「僕はお嬢さんとは結婚できません  身勝手だと思われる事は  重々承知していますが、今離婚を回避する  努力を重ねている所です」 その言葉を聞いた沙織から悲鳴があがった 「嘘よ〜っ!あなたの赤ちゃんがいるのよ  もう生まれてるんだから!!  慰謝料だって払うのになんで?  なんで離婚しないのよ!  離婚したくないって何言ってるのよ💢  どうして〜っ!」   「済まない!沙織さん」 沙織は頭を下げた隼人の横に立ち 背中を叩きながら執拗に結婚を迫った 「もう良い‼︎やめないか!  沙織!やめなさい💢」 父親から怒声が飛んだ 「うぅぅぅっ」 沙織がその場に崩れ落ちる
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