赤いリボン

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「イく、イッちゃ…あ、あ! あっ!」 俺が限界に震えると、駿馬も追いかけるように達する。 髪を撫でられて肌に触れられ、抱き締められる。 俺も抱き締め返したいけど、両手首が縛られて固定されているのでできない。 駿馬はそんな俺を眺める。 「いいね」 「あ…」 この視線、ぞくぞくする。 あれが夢だった悲しさなんてもう頭の隅にもない。 駿馬でいっぱい。 「…一成、俺の事どう思ってる?」 ゆったりした口調で駿馬が聞く。 「…? イケメン」 「……」 「?」 なんか答え間違えた? ぼんやり考えていると、駿馬の身体がまた足の間に入る。 「あ…」 ぞくぞくする。 「すごい期待した目」 駿馬が微笑む。 疼く奥をまた突かれて身体が跳ねる。 「あ、あっ! ん…っ」 駿馬の唇が重なって、食べ尽くされる勢いで貪られるのでとろとろになりながら必死で応える。 舌が肌の上を這っていく。 …初めてした時から慣れてたんだよな、駿馬。 駿馬の見た目なら経験は豊富だったんだろうなって今更思ったらなんか泣きたくなった。 俺だけの駿馬がいいのに。 「考え事する余裕あるんだ?」 「ああっ! やだ、それやだ!」 熱い手のひらが俺の昂りを扱く。 先端をぐりぐりされて、執拗に弄られたら恥ずかしい感覚が湧き起こる。 「だめ、しゅん、っ! だめ…っあ、あっ!」 ぷしゃっと噴き出したもんがぱたぱたとシーツに落ちる。 ぽーっとしながら駿馬を見つめると、濡れた手のひらに舌を這わせている。 恥ずかしい。 「一成も綺麗にして」 駿馬と一緒に、駿馬の手を舐める。 それに夢中になっていたらいきなり奥を突かれた。 「手ばっか集中してたらだめだよ」 「っあ! あ…っ! だめ、だめ…!」 またぞわぞわが駆け上がってくる。 弱い部分を擦られて突かれて、頭がおかしくなりそう。 また潮を噴くと、駿馬は微笑む。 「びしゃびしゃだね、一成」 「あ…やだ、も、むり…」 顔にかかったものを駿馬が舐めとる。 昂りを更に扱かれて、脳が溶けてなにも考えられなくなる。 「あっ、あっ! やっ、ぁ…っ!」 達した俺のナカに駿馬の白濁が注がれる。 その熱さにぞくぞくしていたら、唇を塞がれた。 「しゅんま…、んっ」 「可愛いね、一成…俺だけの一成」 駿馬は俺だけの駿馬なのかな。 ぼんやりする頭で考えようとするけれど、考えられない。 ふわふわして力が入らない俺を駿馬は抱き締める。 手首のリボンはそのままなのでまだ俺は抱き締め返せない。 奥まった部分からは駿馬の注いだ熱が溢れている。 「ねえ、いっつん」 「…?」 「いっつんは俺の運命の人だから」 ぽーっとしながら聞く。 運命…すごくどきどきする響き。 「俺の童貞捧げたんだから責任取ってね」 「………」 童貞捧げた? 誰が誰に? 「…?」 「いっつん、そういう顔してるとどうなるかわかる?」 あ…。 どきどきぞくぞくする。 「…わかんない」 わかってるけどわかんないフリをすると、駿馬はまた微笑む。 この笑顔、ほんと綺麗。 「ぐちゃぐちゃにされちゃうんだよ」 「っああっ!!」 濡れた場所にまた昂った熱いものが滑り込んでくる。 身体がガクガクする。 呆気なく達した俺の白濁が、駿馬に揺さぶられて脇腹を伝って落ちる。 激しいくらいの律動に思考が本当にぐちゃぐちゃになっていく。 「いっつん、大好きだよ」 「っ!?」 駿馬の口から出た言葉にゾクゾクが爆発した。 「あ…あぅ、あ…あ…」 俺を呑み込む快感に、呼吸の仕方さえわからなくなる。 息を詰まらせる俺に駿馬の唇が重なる。 「いっつん、出さないでイッたの?」 「わかんな…あ…」 気持ちいいのが終わらない。 もっともっと欲しい。 「もっとして…もっとちょうだい…」 俺がねだると、駿馬が一番奥を突いて追い詰める。 「好きだよ」 駿馬が囁くとまたゾクゾクが爆発する。 「いっつん、好きっていうとイくね。好き…」 「ひっ…あ! あっ!!」 「可愛い」 駿馬が、新しく発見した俺の弱点をひたすら責める。 俺は『好き』を囁かれる度にイッて、最後はもうなにがなんだかわからなくなりながら、ただ身体だけが反応する。 駿馬の言葉通りぐちゃぐちゃにされた俺は、今夜もまた悲しくなる夢を見たいなと思った。
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