暴君王子としもべ姫

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「…一生俺だけをそばにおいて。一生俺だけを愛して」 「二個じゃねーか」 「……ごめん」 両側の頬を軽く抓られてふにふにされる。 「しょーがねーから二つとも叶えてやる」 集の唇が優しく重なり、食べ尽くされるようなキスに変わっていく。 互いの着ているものを脱がせ合って、集が俺をベッドにうつ伏せにさせる。 いつものように強引に身体が開かれていき、うしろから集が挿入ってくる。 「あっ…あつむ…っ!」 背中から抱きかかえるようにして集が動く。 揺さぶられながら、集の顔が見たくて少し振り向くと、すごく余裕のない表情をしている。 目が合うと切なげに微笑んでキスをくれる。 「あつむ…あっ…! っぅ…!」 もしかして余裕のないところ見られたくないのかなって考えてたら奥を突かれて思考が真っ白になる。 そのまま集が奥の奥を開いた。 「あ、あ…! あっ…あつむ…!」 「すご…」 集の熱い吐息がうなじに触れる。 おかしくなるような快感にチカチカしていると、集が俺の昂りに触れる。 「すげー出てる」 「あ…むり、これむり…! …っ!!」 力が入らない。 イッてもイッても止まらない。 集に与えられる快感に狂うしかできない。 「あ! またイく…イッ…!」 意識がぼんやりしてくる。 「飛ぶなよ」 肩にきつく噛み付かれて、痛いのに気持ちいい。 「あつむ…あつ、むっ…! っあ!!」 「恵介…っ」 身体がガクガクして力が抜ける。 ぐったりした状態で集が達したのを感じていたらきつく抱き締められた。 汗ばんだ肌が密着する。 「……一生俺のそばにいろ。俺の言う事に逆らうな」 集が俺の耳元で囁く。 熱い吐息が耳に触れてぞくぞくする。 「お前は俺のものだ」 振り返って集を見ると、瞳の奥に熱い炎を灯して俺を見ている。 身体を捩って俺からキスをすると、王子様な見た目の暴君は満足そうに微笑んで、もう一度俺の腰を引き寄せた。 END
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