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転校生
高校生・同級生・攻め視点
男子高校生(攻め)が転校生(男子・受け)に初めてを奪われるだけの話です。
*****
転校生と仲良くなったのはよかった。
親いないから遊びにくればって誘われて、親御さんがいないから思いっきり騒いでも怒られないって事で誘われたんだと思った。
なのになんで俺は今、転校生に押し倒されてるんだ。
◇
先週、俺のクラスに転校してきた酒井悠月。顔立ちが綺麗で俺は見入ってしまった。
酒井の席は俺の隣のずっと空いていた席だった。
「よろしく、えっと…」
「小川優治です。よろしく」
「よろしく、小川」
酒井はそう親し気に微笑んだ。笑顔も綺麗だなと思った。
まだ教科書が揃っていないからって机を寄せて教科書を見せてあげたりしているうちに仲良くなった。横顔がすごく綺麗だと思った。
◇
「小川、今日うち親いないから遊びにくれば?」
「いいの?」
「うん」
「じゃあ行く」
酒井と自然と仲良くなったある日、家に誘われた。
俺は特になんの疑いもなく酒井と一緒に俺の自宅最寄り駅の隣の駅で電車を降りた。
◇
「適当に座って。お茶持ってくる」
「うん、ありがと」
酒井の部屋はとても綺麗に整理整頓されていた。俺のぐちゃぐちゃな部屋とは大違い。適当にと言われてもどこに座ったらいいかわからなくて突っ立ってると酒井が戻って来た。
「座っててって言ったじゃん」
「うん、でもどこに座ったらいいかわかんなくて」
「じゃあここ座って」
そう言ってベッドを指定される。なんでベッド?と思いながら俺は言われた通りに座る。
と、酒井は俺の隣に座った。近い。いつも見ているけど、やっぱり横顔が綺麗でちょっとどきどきする。
「小川…」
「ん? え?」
なぜか酒井にベッドに押し倒される。
「え、何?」
なんで俺、酒井に押し倒されてんの?
意味がわからず頭の中に疑問符を浮かべていると。
「…ごちそうさま」
そう言って酒井は俺に唇を重ねた。
「!!??」
え、なんで俺、酒井とキスしてんの?
俺、初めてなんだけど。
ごちそうさまって何。
てか俺達男同士なんだけど!
そんな考えが頭の中でぐるぐる回っている俺を無視して酒井は俺の制服を乱す。
「え? 何、酒井? どういう事? 何してんの?」
「わかんだろ、襲ってんだよ」
わかんだろ、ってわかりたくない。なんで俺が襲われなくちゃいけないんだよ。
そんな俺の混乱を無視して酒井は俺のベルトを外す。
「ちょっと待って、なんで!?」
「なんでって何が」
抵抗する俺を無視してスラックスを脱がされる。
「なんで俺こんな事されてんのって聞いてんの!」
「小川が俺の事いっつも見てたから、お前に決めた」
「何を?」
「俺の処女あげる相手」
「は!? 何それ、処女ってお前男じゃん!」
「細かい事はいいじゃん」
そう言って酒井はスラックスを脱ぎ、下着も脱いでベッドの下に落とした。
「目、逸らすな」
顔を背けようとしたら酒井に顔を掴まれた。
「待って、酒井。ほんとにどういうつもり? 俺ら男同士なんだけど」
「どういうって、こういうつもり」
そう言って酒井は自分の尻の穴に指を挿れる。
「!!??」
「ん…」
「え、痛くないの…?」
「うん、きもちい…あっ」
普段喋る時よりちょっと高めに喘ぐ酒井の声に脈が速くなる。別に俺、男が好きなわけじゃないし普通に女子が好きなんだけど、それなのに酒井が可愛く見える。
「小川、触って」
「え…」
手を取られ、酒井の奥まった部分に導かれる。酒井の指と一緒に俺の指がそこに挿入ると、酒井は頬を染めて小さく震えた。
あ、可愛い。本気でそう思った。
ナカは不思議な感触。ていうか他人のが勃ってるところを見るのも初めてなのに。なんか色々飛び越え過ぎな気分。
「あっ、ん…」
「え、えっと…どうしたらいい?」
なんだか流されてしまう。だって酒井があんまり可愛く喘ぐから。
「ここ、イイとこ」
指を導かれて他と感触の違う場所を示される。そこに触れると酒井は大きく身体を震わせた。
「あっ! あ…優しくして…っん!」
「あ、ごめん」
そっとそこに触れると酒井はびくんびくんと身体を震わせて喘ぐ。正直、可愛いとしか思えない。なんでだ。
「小川、指…増やして」
「う、ん…」
なんで言いなりになってんだと思いながら言う通りにしてしまう。男が喘いでるところなんて初めて見たけれど、はっきり言って興奮する。
「ほんとに痛くない?」
「ん、平気…」
いつも整っている酒井の顔が気持ちよさそうに歪んでいる。ぞくぞくする。俺はただ欲望のままに酒井の”イイとこ”をぐっと押す。
「あっ!!」
びくんと大きく身体を震わせた酒井の昂りから白濁液が散る。なんだこれ、めちゃくちゃ興奮する。
「ぁ…あ」
ぴくんぴくんと俺の上で身体を震わせる酒井。はっきり言って可愛い。それ以外の表現が浮かばない。
俺がぼーっと酒井に見入っていると酒井は蕩けた視線で俺を見た後、俺の下着を脱がせた。なんだかここまでくると、もうなるようにしかならない気がしておとなしくする。
「小川も勃ってんじゃん。男同士とか言ってたくせに」
そう言って酒井は俺の昂りを口に含む。ぬめる熱い粘膜に包まれて、これまで感じた事のないような快感が体内で暴れる。
「すごいガチガチ」
「しょうがねえだろ、こんなの初めてなんだから!」
俺が言うと酒井は意味深に微笑む。
「それはよかった。俺も初めてだし」
「え?」
熱い口内から解放されたと思ったら酒井が俺の昂りにゴムを被せる。
「え」
「できた」
ゴムを着けて酒井は満足そうに昂りの先端にキスをする。ぞくっとして身体が震えてしまう。この状況は。
「え、え、マジで?」
なるようにしかならないとは思ったけどそこまでいくとは思わなかった。ちょっと焦る。
「マジで」
そう言って酒井が俺の昂りの上に腰を下ろす。ぷちゅ、と音を立てて熱い内壁に包まれていく。初めての感覚は眩暈がするほど気持ちいい。
「っは…ぁ…全部挿入った」
ぐちゅ、と音を立てて酒井が俺の上に完全に腰を下ろす。昂りがぎゅうぎゅう締め付けられて、それだけで限界になりそうになる。
「小川、まだイくなよ」
「んなの自分でどうにもできねえよ!」
「我慢して…」
酒井が腰を動かす。ぬぷぬぷと音を立てて俺の昂りが酒井のナカを出たり入ったりする。背筋に快感が走り抜けていく。
「あっ、ん…ん…っ」
酒井の喘ぎも、酒井の痴態も、わけがわからないのに興奮する。ゆっくり動く酒井の動きがもどかしくなり、酒井の腰を掴んで引き寄せた。
「あっ!! おが、あっ!!」
ぐりぐりと酒井が言った“イイとこ”に当たるようにすると酒井が大きく仰け反った。ナカがうねって気持ちいい。
「っ、酒井…」
「あっ、イく…イッちゃ…!」
びくびくと一際大きく身体を震わせて酒井の昂りがまた白濁を吐き出す。ナカがぎゅっと締まって俺もそのまま果てた。
「…マジか」
男の尻でイッた。初めてなのに。でもすごい気持ちよくて満たされた感じ。
◇
「小川、また遊びに来いよ」
「ん…」
駅まで送ってくれた酒井が頬にキスをしてくる。
なんだこの感じ。
◇
翌週。
「小川、今日うち親いないから遊びにくれば?」
酒井はまた同じ言葉で俺を誘った。行くわけねえだろ。そう言いたかったのに。
「ん、行く」
俺は頷いていた。
先週と同じ駅で降りて、酒井と手を繋いで酒井の家まで行った。
END
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