それは痛恨のミスでした。

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 ちょっと気持ちが落ち着いた私は、ありがたくいただいたティッシュを制服のポケットに収めようとした。  でも大きさが微妙なのか、うまく入らない。  モタモタしているうちに、ティッシュがぴょこんと飛び跳ねて屋上の床に落ちた。 「あっ」  しまった、私ってばまたドジを。 「!」  すると、その落ちたティッシュを見て、赤い髪がものすごい勢いでそれを拾い上げた。そのまま握り潰しちゃったんじゃないかと思える勢いだった。   「やっぱこれ返せ!」 「は、はい! ごめんなさい!」  どうしたんですか、いきなり。やっぱり怖いよ! 怒り出すスイッチが分からない!  ドキドキしていると、佐治先輩はやや青ざめた顔をして私をチラリと見た。 「……見えたか」 「えっ? 何がですか?」 「……違うんだ、これは。ドラッグストアの前を歩いていたらティッシュ配りの男にいきなり渡されたのをたまたまポケットに入れていただけで……!」 「あの……さっきからなんのお話を?」  急に焦り出した赤髪の彼をおそるおそる見つめる。  そういえば、さっき落ちたティッシュ。  裏面が一瞬見えたんだけど、女の人の裸の写真が印刷されたチラシのようなものが挟まっていたような……。 「誤解だからな! 俺はそういうんじゃねえから!」  彼は真っ赤な顔をして私を睨んだ。 「女ができたからってエロいことしようとか一切考えてねえし、お前が嫌がることなんか絶対にしねえから! もう二度と泣かさねえようにめちゃくちゃ大事にするし、優しくするように心がける……!」  テンパった彼は一気にそう捲し立てたあと、一瞬の間をおいて鬼のような顔で私に向かって吼えた。 「……恥ずかしいことを言わせるな!」 「は、はいっ! ごめんなさい!」    え。今の、私のせい?  腑に落ちぬ。  
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