2#僕を何で怖がるの?

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
 「えーーーーーん!!えーーーーーーん!!痛いよ・・・痛いよ・・・何でおいらを人間どもをいじめるんだ・・・」 人間に見つからない山奥で、街から命からがら逃げ出したドラゴンのシテは目に大粒の涙を流してる震えていた。  「何で・・・何で・・・人間どもは僕を怖がるんだぁ・・・」 ドラゴンのシテは、池の畔に泣きすぎてクシャクシャになった顔を見詰めた。  「そりゃ、何度も噂で知ってるよ・・・!!  街や村をドラゴンがやってきては破壊と殺戮をやらかしては、王の軍隊や派遣された勇者パーティーがドラゴン退治して殺されまくってる話。  何で・・・何でおいらドラゴンは街に行っちゃいけないの・・・?!  何で・・・!!何で・・・!!」  ドラゴンのシテは草場で塞ぎ込んで、ブルブル震えて悩み込んでしまった。  「何で・・・何で・・・何で・・・何で・・・おいらは・・・こんなにも・・・嫌われるんだろ・・・」  塞ぎ込んだドラゴンのシテは、その理不尽と孤独にいたたまれなくなり、その絶望に怯え震えて大声で泣いた。  えーーーーーん!!えーーーーーん!!と咽び泣いた。  「ドラゴンさん、そこのドラゴンさん!何で泣いてるの?」  向こうの方から、誰かの声が聞こえた。  
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!