4#友達になりたかったドラゴン

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 「やばい!!ドラゴンスレイヤーだ!!君!!殺されるぞ!!」  ゴブリンは恐怖で硬直するドラゴンのシテをけしかけて、一緒に死にものぐるいに逃走した。  「やば!!ドラゴンとゴブリンが逃げた!!  おい!!卑怯だぞ!!大人しく俺達にやられろ!!!!」  執拗に追ってくるドラゴンスレイヤー達の。  そして、ドラゴンスレイヤー達から逃げるドラゴンのシテとゴブリン。  ・・・僕は人間と友達になりたかったのに・・・  ・・・何でああいうのに命を狙われなきゃならないんだ・・・!!  「ゴブリンさん!おいらの背中に乗って!!」  ドラゴンのシテは、一緒に逃げているゴブリンを乗せて背中の翼を一生懸命羽ばたかせ飛び立ち、ドラゴンスレイヤー達の行手を巻いた。  「危なかったな・・・なあ、ゴブリン。」  返事は無い。  ドラゴンのシテはゴブリンを振り落としたのか?と振り向くと・・・  「・・・?!」  ゴブリンはドラゴンのシテの背中の上で事欠かれていたのだ。  「嘘だぁーーーー!!」  ドラゴンのシテは、ドラゴンスレイヤーや勇者パーティーが来られないような崖に降り立つと、ゴブリンの亡骸を見て驚いた。  ゴブリンの体は鞭で叩かれたミミズ腫れや殴られた痣だけでなく、ナイフで裂かれた傷まで付けられていたのだ。  この状態で生きていた事だけでも奇跡だったのだ。  「ゴブリンの奴・・・人間の街でこんなに虐待されてたのか・・・  虐待の傷が悪化して・・・友達になりたかっのに・・・」  ドラゴンのシテの目から大粒の涙が流れた。  悲嘆に項垂れてゴブリンの亡骸を抱きしめて、ドラゴンのシテは号泣した。    その時、崖の影に紛れて待ち構えていたドラゴンスレイヤーが即死の魔法を纏った矢をドラゴンのシテ目掛けて放った事を、友達になる筈のゴブリンの死を嘆き悲しむドラゴンのシテは知らなかった。    〜孤独なドラゴンの悲劇〜    〜fin〜
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