I Believe in future

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I Believe in future

信じることがどれほど尊いかそれを教えてくれたのは他の誰でもない、いつもそばで支えてくれたあなたなのですありがとう今日この日、私たちは幸せになります 幼稚園で男の子に泣かされたときも お遣いのお金を落とした夕暮れの日も 上級生から呼び出されカツアゲされたときも いつも優太が助けてくれた。身を呈して私を守ってくれた。ピンチのときには必ず駆けつける隣の家の幼なじみの私のヒーロー。彼とは常に微妙な距離を持ちお互いに牽制しながら思春期を過ごした。いろんな人と付き合った。しかし必ず何か違う気がしてならなかった。違和感。その違和感は何?私は薄々勘づいていた。しかしそれはずっと胸に秘めたまま。失恋したら一応落ち込んだふりを装った。夜遅くまで真剣に話しを聞いて慰めてくれる優太。本当に好きな人と付き合えないもどかしさ。しかし優太の気持ちは私にはわからない。本当にただの幼なじみとしか思っていないかもしれない。今のこのいい関係を壊したくない。唯一全てを開け広げて晒すことのできる人。友達は、もう付き合っちゃえよとみな冷やかしたが優太にも途切れることなく付き合っている彼女がいた。だから優太にとっての私は親友のようなものに違いない。夜更けのバーガーショップで泣いている私は失恋の辛さで泣いているんじゃない。優太あなたのせいで泣いているの。どうして気づいてくれないの?それとももうとっくに全てを見透かされ敬遠されているの?しかし心のどこかでは優太も同じ気持ちだと信じていた。その片思いで信じることの心細さと苦しみ。それは勝ち目のないギャンブルのよう、風は私に吹いているのかそれとも本当に全く勝ち目がないのか。ただただ信じる以外ない。いつかこのせつなさと苦しさが喜びに変わることを信じそんな想いのまま何度かの失恋を繰り返し私は大人になった。 二十代も半ば結婚を意識せざるを得ない、本当に好きな人ではない釈然としない金持ちの御曹子との微妙な恋をした。散々結婚を餌に、もて遊ばれ捨てられた真夜中、土砂降りの公園で傘もなく泣き崩れた私に後ろから自分のジャケットを脱ぎそっとかけてくれたのはやはり私のピンチには必ず駆けつける優太だった。ずぶ濡れの優太。 「きっといつか必ず幸せはやって来る悪い日ばかりじゃないよ」 私は立ち上がり優太がそっと背中にかけてくれたジャケットを投げ捨てた。きっと鬼の形相であっただろう。そして優太に怒鳴った。たぶん初めてだったと思う。思えば喧嘩をした記憶もない。本当はお互い遠慮をし強ばった挨拶を交わす隣人であったのかもしれないそんな不安を覚えた。そんなもどかしい気持ちが爆発したのだ。 「私の気持ちなんかなんにも知らないくせに」 私は雨の中を泣きながら当てずっぽうに走った。とにかく夢中で駆けた。汚れた白いハイヒールも肌に張りつくストッキングも邪魔になり途中何処かへ脱ぎ捨てた。どこをどう走っていたのかさえ覚えていない。もう雨も上がり空が白み始めた頃ボロボロになり涙も枯れて裸足で家に辿り着くと家の前には 「優太⋯」 私が脱ぎ捨てた汚れたハイヒールを手に優太が待っていた。私はまた涙が溢れ出し思わず優太に抱きつこうとした。すると優太がハイヒールを投げ捨て駆け寄り私を強く抱きしめた。 もう何処へもいくなオレが一生をかけてオマエを守る
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