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いつものように、俺は勤務先のショッピングセンターのバックヤードで休憩をとっていた。ここではテナントごとの事務室と更衣室が分かれていて、食事ができる共用スペースやトイレや喫煙所もあるので、これらだけで小ぶりな雑居ビルのワンフロアを占めるぐらいにはなるだろう。
共用スペースには一台の大型モニタのテレビが置いてあり、自社がスポンサーをしているチャンネルに常時合わされていた。音量は控えめなので、やかましいということもない。
午後も三時を回っていたので、テレビでは地元の情報番組が放送されていた。たばこも吸わない俺は、そのテレビを観るともなく見ながら、特に目的も無くスマホをいじっていた。
子供の頃に、両親からは野球のグローブやクリスマスプレゼントもここで買ってもらったし、音楽を聴くようになってCDを買ったのもここだ。ここは、俺が好きな商業施設だった。新社会人に向けてのリクルートスーツを買ったのもここだし、学生の頃にバイトをしたは後にも先にもここのフードコートだけだった。
だから俺はここでの仕事にはやりがいを感じていたし、多少のストレスや煩わしさは苦でもなかった。
「店長、お疲れ様です」
声を掛けてきたのは、ここの営業で主に催事場を担っている田村だ。そう。俺こと玉井珠輝は、僭越ながらここの店長を任されていた。
「あぁ、お疲れ様です」
「ここ、いいですか」
恐らくは、礼儀のつもりだろう。営業職だけあって、彼は常に相手の配慮を欠かさない。そんな田村の言動は正当に評価されるべきだし、いつも本社への報告は俺は漏らさない。
「どうぞ」
いいも悪いもないが、俺はこいつのこういうところは嫌いじゃない。
「おっす、ありがとうございます」
にこやかにそう応じると、田村は椅子の音も立てずにすっと席に着いた。確か、武道だか武術だかをやっていると聞いたことがある。普段の佇まいや身のこなしに凛としたものを感じるのは、そのためだろう。俺の中に無い価値観や信念がある人間は尊敬するし、俺だって少なからず影響を受ける。
「で、どうだい?」
俺はスマホをテーブルに伏せると、不躾に主語も無しに訊ねた。
「はい。お陰様で、好調です。よかったら、これどうぞ」
そう言いながら田村が差し出したのは、シークワサー味のソフトキャンディだった。彼がいま手掛けているのは沖縄物産フェアなので、すぐにそこで販売している商品なのだと俺は悟った。
「それは、良かった」
未開封のそれを受け取ると、両手で弄びながら内心で集客の成功を願った。初日から目標の数字の話を切り出しても田村も気を悪くするだろうから、俺は言葉数少なめに労った。
「店長、どうです。これ、珍しいですよね」
「そうだな。この味は、初めて見た。食べてみていい?」
「ええ、どうぞどうぞ」
ラインナップした商品に興味を示したのが嬉しいのか、彼は一層破顔した。
「うおっ、すっぱ」
予想以上の酸味に驚いたが、咽せるほどではない。むしろ、心地よい清涼感を感じるぐらいだ。甘すぎないのも良い。
「ですよね。私も最初びっくりしましたが、いまではハマってしまいました」
田村は上着のポケットから、半分ほど減った紙包のソフトキャンディを自慢げに取り出した。
「だからといって、おまえ買い占めるなよ」
「しませんよ、そんな。はははっ」
屈託のない笑顔で笑う田村は営業だけではなく、たまにエプロンを締めて自ら催事場に立つこともある気持ちの良い仲間だ。勤務中にも関わらず、心労から解放されて甘いものを口にするなんて思ってもみなかったが、案外悪くなかった。
そうだ。あの日も、俺のポケットの中にはソフトキャンディがあった。この取り留めもないやりとりから、子供の頃の記憶が蘇ってきた。
その当時、この施設はデパートだなんて呼ばれ方をしていた。でも俺は、その咽せ返るほど活気に包まれ堅牢な城砦を思わせる呼び方は、むしろ胸がときめいた覚えがある。俺にとっては、日常から解き放たれた特別な空間だった。
それは、小学生の頃の出来事だ。俺はクラスメイトと三人で、二階にあったゲームコーナーで遊んでいた。友達はビデオゲームで遊んでいたが、俺は半球の透明なドームの中で回転するトレイからクレーンでお菓子をすくうゲームを楽しんだ。挑戦した成果として、景品を手に入れたかったからだ。プレイ金額は、月のおこづかい四百円のうちの百円。すなわち、四分の一。算数で習いたての百分率で表すと、二十五パーセント。仲間と楽しむか、人気漫画のコミックを古本で買うかで悩むぐらい、当時の俺には大金だった。
ドーム内で前後にスライドするテーブルには、いまにでも落ちそうなソフトキャンディがあった。実際には駄菓子屋でそれっぽいものは何十円かで買えたが、百円で三十秒間すくい放題のクレーンゲームは上手くいけば百円以上の商品を獲得できるので、子供心に非常にそそられた。一か八かの、大勝負。俺はその場のノリで、ワンコインに想いを託した。ここは俺の好きなデパートで、いまは友達と一緒に遊びに来ている。それだけで、お祭り気分になれた。
「チャリン」
迷いを捨てた俺は、小銭しか入れたことののない財布からなけなしのコイン一枚を投入した。この金属音は決別の合図ではなく、勝利してくるとの心強い宣言だった。
クレーンゲームは、終始軽快なメロディを奏でている。俺はそれを鼻歌で真似しながら、回転するトレイと前後するテーブルのタイミングを見計らった。三十秒間すくい放題だとはいえ、考えもせずにボタンを連打していても何も得られない。そう、俺はこんな時でも冷静にかつ情熱的に集中していく。テーブルがストロークしていく幅を観察しながら、ソフトキャンディを押し出すのに必要な量を見定める。飴やガムなどが少なく、緑色の人工芝が見える箇所を狙っているのだ。ここだと思ったタイミングで、クレーンのアームを下ろすボタンを押す。アームが下り切った後、クレーンは自動的にすくい上げる動作をする。人工芝の後には、どこかの誰かが築いた飴の山がそびえ立っていた。俺の第一投は、見事にその山を捉えた。アームが元の位置まで戻ると、テーブルが一番奥まで退く少しタイミングでクレーンを解放する。そうすると飴などが一切無いテーブルに、飴が放たれる。その後は、テーブルが押し返す力に任せるだけだ。テーブルに落とした飴の多くは下に落とされるが、想定の範囲内だ。それでも一投目の飴がソフトキャンディをいいところまで運び、それを押しきれなかった飴のいくつかは景品取り出し口にコロンコロンと音を立てて落ちていった。ここではしゃぐのは、まだ早い。
残りの十数秒も、同じことをもう一度繰り返す。俺にとっては、すくい放題であっても実質二プレイ百円となる。やたら無闇に、すくえばいいというものでもない。トレイがもう一周するのを見計らうと、同じ山を狙ってボタンを押下する。念力みたいなものが人生で一度だけ使っていいと言われたら、迷わずここで使っていただろう。だが、あいにくそんな能力は俺には無いから、目測で飴を運ぶだけだった。今度は飴のロスも少なく、テーブルに載せることができた。あとは時間切れまで、テーブルが前後するのを見守る。
「なぁ、ちょっと機械揺らしてみるか」
「バカ。それだと、捕まるだろ」
俺は友人の愚行を制止し、獲物の行方を見守った。一回、二回とテーブルが前後するのを数えながら「落ちろ」と願った。メロディが止まり、景品取り出し口の蓋が閉まる目前で、ターゲットは真っ逆さまに落ちた。蓋に跳ね返されたかに見えたが、我らがソフトキャンディは無事に景品取り出し口に到達していた。
「やった!」
グリーンアップル味のソフトキャンディを一つと、個包装の飴玉四つをゲットした。友人らも手を叩いて喜んでくれたし、思わずハイタッチまでしてしまった。これは凄く嬉しかったし、今後の自信にも繋がった。
そのままゲームコーナーに留まっていると、もう百円も使いかねないので、すぐに店を後にすることにした。外に出ても俺らの興奮は止むこともなく、賞賛の声が飛び交った。気前の良くなった俺はそのソフトキャンディの包み紙を破り取り、十粒あるうちの三つを分け合った。みんな口々に「うめぇー」などと言いながら、談笑して歩いた。これが勝利の味かなんて、実感していた。
だが、その気分もすぐに打ち砕かれた。
「ねえ、君たち。それ、どうしたの?」
背後から駆け寄った見知らぬおばさんが、俺たちを威圧してきた。なんだろう、両親や担任から責められるのとは異質の雰囲気は。俺は、すぐに萎縮してしまった。
「あ、いや……」
言葉に詰まってしまい、すぐに景品だとは答えられなかった。
「レシートは、あるの?」
この女性は、俺らを万引きだと勘違いしている。いや、そんな可愛いものではない。万引きだと、決め付けているんだ。
「よく、見せてみなさい。ほら、テープだって無いじゃない」
瞬きをするよりも早く、おばさんは俺の右手を掴んだ。購入済みを示すテープが商品に貼られていないことを不審に思い、物凄い剣幕で責め立てる。
「うわーっ」
ばつが悪いことに、友人二人が恐怖に耐えられず駆け出して行った。あいつら、徒競走なら入賞するな。それぐらい、逃げ足は速かった。
「逃げたということは、そういうことですよね?」
俺の犯罪を確信した女性は、証拠と共に自白を求めた。真実は違うんだが、もの凄く面倒なことに巻き込まれた。これがガチャガチャで引き当てたフィギュアやトレーディングカードでも、きっと同じことを言うんだろう。俺は親や学校にチクられたくないので、弁明ではなくどうにか逃げることだけを考えた。この大きなデパートでは、そこらのガキの顔なんてどうせ区別することはできないだろうと踏んだのだ。
なにか女性の気を引くことができないか、辺りをつぶさに観察した。仲間が向かった逃走経路のほうを窺うも、俺だけならきっと追いつかれるだろうと考えた。他に手はないかデパートの入り口のほうに目をやると、階段脇のスロープ付近にベビーカーが見えた。だが、親らしき姿はない。きっと車でも動かしに行っているのだろうと、少年探偵団さながら推理をした。それと頭脳明晰の探偵じゃなくても、誘拐を心配するだろう。そう思った矢先、出入りしている人に触れたのか、そのベビーカーはゆっくりとスロープを下り始めた。
「ちょっと、おばさん。あれっ!」
俺は空いたほうの手で、ベビーカーを指差した。
「あっ」
女性もつられるように振り向き、すぐに状況を理解しようと努めたようだが、怯んでしまい次の行動が出遅れていた。そのとき、俺の手首を掴む力が弱まったのに気付き、それを振り解いて駆け出した。もちろん、逃げるためではない。
幸いなことに、スロープ付近には客待ちのタクシー一台以外に車は見受けられなかった。よせばいいのに、俺は無我夢中でベビーカーを目指した。十メートルは走っていないと思うが、息も上がってきた。
目を離すことは無かったが、ベビーカーはスロープの半分まで転がっていた。心なしか、徐々に速度が上がっている気がした。それが算数なのか理科なのか、どうでもよかった。赤ちゃんが無事であれば、それだけでいい。そんな思いで、俺は運動会以上に全力で走り続けた。
間一髪、スロープを下りきる前に、俺はベビーカーを体で受け止めることに成功した。額からは滝のように汗が流れ、ぜえぜえと呼吸が乱れていた。
「あぁ、ごめんなさい。ありがとうございます」
母親らしき人が慌てて車を寄せて降りてきたので、俺はベビーカーを手渡すとすぐにその場を後にした。当然のことをしたまでだし、それに俺を万引きと疑っている女性からも逃げなければならないからだ。母親は赤ちゃんを抱き上げると、涙を流しながら頬擦りしていた。きっと、反省していたのだろう。それを目の端で捉えると、ようやく俺もほっと胸を撫で下ろしていた。大人の人でも泣くんだし、俺みたいな子供にも礼を言うんだなと驚かされたのもこれが初めてだった。
その後、学校やニュースでも話題にもならなかったので、あの日以来、俺はすっかりこの出来事を忘れていた。
「店長、いかがなさいましたか? 気分でも優れませんか?」
田村の呼び掛けで、俺は我に返った。
「あ、いや。大丈夫だ。ちょっと、昔を思い出していた」
まさか、周りが見えないぐらいに空想に浸るとは思いも寄らなかった。
「昔ですか……」
「あぁ」
仲間の心配を他所に、俺は曖昧に返事をした。居眠りをしていた訳ではないが、首を軽く左右に振って意識を取り戻そうと試みた。
「あっ、店長。休憩中、申し訳ありません。ちょっといいですか?」
未だ晴れない感慨に浸っていると、早歩きで駆け寄ってきた女性従業員に、抑えめの声で訊ねられた。
「あぁ、いいよ」
「はい。実は万引きを捕まえたんですけど、上の者を出せとの一点張りで、なにも話を聞いてくれないんです」
テーブル向かいの田村まで聞こえる程度の声で、要件を簡潔に伝えてきた。この建物で上の者と言われたら、それはもう俺しかいない。どんな要件なのだろうかと、念の為いくつか想定してみた。まず思い付くとしたら、ミステリーショッパーだろうか。しかし、そんな周知は無かったはずだ。そもそも、自らそれを明かす無能もいないだろう。だとすると、それは候補から外れる。あるいは、身内だろうか。いいや、それだけは考えたくない。
もしや暴力沙汰になるのではないかとの思いが頭を過り、田村の顔をみるも、そういうことではないと考えを改めた。あくまでも、責任者は俺だ。これまで培ってきた対話で、このデパートの代表として臨む。「最終対応者」と心の中で唱えることで、俺は覚悟を決めた。
「そうですか……。分かりました、すぐに向かいます。田村さん、私はお先に戻ります」
「はい、お疲れ様です」
状況から急務を察した田村は何かを訊ねるだとか、俺を足止めするような野暮なことはしなかった。
「お疲れ様です」
田村を労うと共用スペースを後にし、廊下を突き当たった先にある守衛室へと足を運んだ。防犯に関する業務は会社の方針ですべて警備会社に任せてあるため、俺がここに向かうことは稀だ。
僅かに反射するドアのガラスで襟を正しネクタイを整えると、三度のノックをして「失礼します」と一礼を添えて入室した。デスクチェアと向かい合わせに、パイプ椅子に座らされていた年配の女性が項垂れてるのが、すぐに目に入った。
「店長、お疲れ様です。お忙しいのに、すみません」
警備主任も椅子から腰を上げ、立ち上がって出迎えてくれた。
「いえ。それより、いかがなさいましたか?」
俺は警備主任に問うとも、面会する対象に問うともなく、状況に任せる訊ね方をした。
「はい。この女性が支払いをせずに商品を持ったまま店の外に出ましたので、お連れいたしました」
万引きという直接的な表現を避け、曲がりなりにも来店者である人物を立てていた。ここでは多くの私服警備員が巡回しているので、今回もそこで発覚したのであろう。
「こんにちは。私は、ここの店長を務めさせていただいております玉井と申します。何かお話をされたいとのことを伺いましたが、いかがなさいましたでしょうか?」
万引き犯は決まって近くの警察署に通報するのだが、この女性に関しては警備のほうも手と焼いていたようだ。警戒を解くためにも俺は柔らかい口調で話しかけながら、主任が座っていたチェアに腰を掛けた。デスクの上には、俺でも簡単に出が出せない金額の十貫入りの寿司折が二つ乗せられていた。これが沖縄物産品だったら、あの温厚な田村も激昂していたかも知れない。
「いかがもクソもないよ。こんなに景気が悪いのに、なんでここの商品はバカ高いんだ。私ら庶民には買い物すら碌にできやしない」
女性の出方に俺は些かイラついたが、ここはまず聞き役に徹することにした。
「いやぁ、何もかも物価が上がって大変ですよね。我々も同じですので、そのお気持ち分かります」
「何が、分かるだよ。こんな高級品を平然と売っているんだから、泥棒だよ」
見すぼらしく薄汚れた服に身を包み、髪は乱れ、化粧っけもなく深いシワを多く刻んだ顔は、実年齢より老けて見せているのだろう。小学生の頃に万引きを疑った女性がこんな風に俺の目の前に現れたら、せいせいするのかがっかりするのか、いったいどちらだろう。俺はソフトキャンディのせいで、少しだけ郷愁にも似た気持ちになっていた。だが、この女性はまったくの見ず知らずの人物だった。俺を補導しようとした女性の面影も無いが、欠片ほどの品性も無い。
「泥棒ですか……。では、このお寿司の話を少ししましょう。農家、漁師、生産者、運転手などの物流……」
「……」
女性は口をあんぐりと開けて、何を言われているのか分からないといった様子だ。
「このお店ですと、調理師、陳列やレジ」
俺は容赦することなく、続けた。
「このお寿司には、それらすべての人の生活がかかっているんです。そのすべてのコストが、この価格なんです。どなたも、蔑ろにはできないですよね。例え数百円でも、決して軽いものではないことは理解して頂けるでしょう。あなたにだって働いた経験はあるでしょうし、生まれてから親御さんに養ってもらったんだ。少しは分かると思うんです。だから、見逃すことはできません。何より、私たちは信頼を売っているのですから。残念ですが、例外はありません」
俺は「どっちが泥棒だよ」と叫びたい気持ちを押し殺しながらも、ムキになって正論をぶつけていた。少し大人気なかったかもと、反省らしきものもしてみた。
「では主任、お願い致します」
俺は手短に言いたいことを言って、席を立った。
ずっと目を見つめながら話していたが、その女性は遂には顔をしわくちゃにし泣きじゃくりだした。猛省なのか後悔なのか、その心中は察することはできても同情はできない。こちらだって売り上げに響くし、こうして人員が割かれるのも不本意なのだ。これまでにも万引き犯との面談を経験しているが、見知った顔に出会ったことがないのが幸いだった。それでこそ、俺の安寧が保たれるというものだ。
心には荒々しく波が立っていたが、守衛室を後にし事務所に戻った。退勤の時間にはまだ早いし、残された仕事だって少なくはない。
「店長。お疲れ様です。ご無事で何よりでした」
先ほど俺を呼び出した女性従業員が、身の危険を案じてくれていたらしい。
「はい、お疲れ様です」
本当に何ごとも無かったが、こう毅然と振る舞うのも俺らしさだろう。
「ところで店長、今月の社内報が届いてました。ご覧になられますか?」
「あぁ、ありがとう」
俺は自分のデスクに着くと、ポケットから取り出したソフトキャンディを一つ口に放り込み、チェアの背もたれに身を委ねた。そして、社内報の表紙をめくる。特に新年度ということでもないが、社長の写真付きの挨拶文が掲載されていた。入社式や役員会で何度か見た顔だが、ある人物が脳裏をよぎった。それと同時に、鳥肌が立った。
「そうだったのか……」
なぜ今日まで、結び付かなかったのだろう。今度、本社に会いに行こう。なぜ俺を採用したのか。そして、あの日のことは覚えているのだろうか訊いてみたくなった。
手土産はもちろん、これのグリーンアップル味だ。
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