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そして、コンテスト当日。
「結果発表を行います! 次世代スター人物部門の優勝は、エントリーナンバー2番のネムさん! そして、マスコット部門は、こちらもエントリーナンバー2番のネムさん考案のマスコット『コサキサクちゃん』です!」
「え?」
「は?」
咲耶とシャオランはぽかーんとした。
「ちょっとちょっと! どうしてなにもしないで見ていただけのネムがよりによって2部門制覇してるのよ!」
「そもそも、どうしてネムがエントリーしてるの!?」
当然2人はネムに詰め寄る。
「えっと、コンテスト当日1人だけ暇なのが嫌で、エントリーしちゃって……」
ネムは咲耶とシャオランが準備するのを眺めながら、配信のコツを咲耶に、かわいいマスコットの在り方をシャオランから見て無意識に学んでしまったのだった。もともとそれなりに忍術をやっていて、絵が得意だったネムは、「人物部門」でも「マスコット部門」でも才能を発揮し、優勝してしまったのである。
「だけど、コンテスト優勝は咲耶とシャオランのおかげだよ。賞金は山分けするからさ」
「ネム……」
めでたしめでたし。かと思われたが、
「そういう問題じゃなーい! 私が欲しかったのは優勝者の肩書きなの! 私の目的は目立つこと!」
と、咲耶。
「そうだそうだー! お金の問題じゃなーい!!」
シャオランも続いた。
「ええーー!? ……2人ともひどい……私はただ3人で過ごしたかっただけなのに! そんなに怒らなくてもいいじゃない!」
そう、いつも争いは些細なことから始まる。甲賀シティがさらに3つに分裂したのは、これがきっかけだった……
おわり
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