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かつて、この国で忍者たちによる大きな戦いがあった。そして甲賀、伊賀、風魔、雑賀の4つのクラン(里)が残った。
争いの理由を、みんな忘れてしまうぐらいに年月が経ったころ……
甲賀シティの、とある家の中。ピンクのド派手な忍者装束の女の子が、スマホの画面に向かって話しかけている。
「みんな、今日も咲耶の配信を見に来てくれてありがとう! 1000コインのアイテム投げてくれたら得意の忍術を披露するから、アイテムよろしくね! フォローもお願いしまーす!」
彼女の名前は咲耶(さくや)。高校に通いながら忍者をやっているという個性を活かし、配信サイトで活動していた。
すべては、忍術の素晴らしさを世に広めるため――というのは建前で、すべては「目立ちたい!」という欲求を満たすためであった。そのため、咲耶は忍者でありながら、ド派手な忍者装束をトレードマークにしていた。
「はあ、毎日頑張って配信しているけど、なかなか視聴者が増えないなあ。もっと目立ちたいのに!」
そんなある日、町中を歩いていた咲耶は、とあるポスターに目を留めた。
『とにかく目立ったら優勝! 次世代スターコンテスト!』
「これは!?」
咲耶はポスターに顔を近づけ、コンテストの概要を確認する。
「世界に通用する次世代スターを募集します。優勝者は、テレビ出演、CM出演、有名芸能人とのコラボ配信確約! あなたの名前を世界にとどろかせるチャンス!」
「これだー!!」
咲耶はすぐに応募を決めた。
コンテストの審査は2つ。ステージ上でパフォーマンスを行う実技審査と、配信での集客を競う配信審査だ。
「パフォーマンスは忍術があるし、配信はいつもやってる! 勝てるわ!」
咲耶はコンテストに向けて準備し始めたころ、咲耶の友達のネムとシャオランがやってきた。
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