異能力者達の漫才

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「そんなうちぢゃけども、ぢゃけども、最近ぶち面白い本見付けたんよ!」 「急にぶち上げてきたね、それじゃあ聞いてみようかいね、フルさんが見付けたおすすめの一冊っ! あ、ほんまぢゃね!」 「ね。嘘ぢゃ思うならもう一回『そんなうちぢゃけども、ぢゃけども、ぢゃけども、ぢゃけども』…」 「フルさん、異能力バグった?」 「『最近、ぶち面白い本見付けたんよ!』」 「あ、戻って来た。うん確かに小説ぢゃあのうて本って言うてたけど、要するにフルさんが見付けたぶち面白い本って、辞書のことぢゃったん?」 「そうゆう事、それとね、なんだっけオチ忘れてしもうたわ」 「オチ忘れちゃあかんて!」 「あ、時間を戻して台本読むところまでいけばええんぢゃね」 「いやいやいやいや、もういいよっ! ありがとうございました!」 「ありがとうございました!」 フルとエルが客席に向かって頭を下げる。審査員たちの評価は、なかった。変わりに客席がガタガタと震えている。どうやらフルが時間の早戻しを繰り返しした為に審査員や観客がバタバタと動き回って建物が揺れたようだ。 「エルさん、この状況、時間早戻しで元の状態に戻してくれる?」 「無理。異能使い過ぎてバッテリーが切れたんよ」
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