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「うちね、積ん読する癖があるんよエルさん」
「わかりみじゃわあ、読みたいんじゃけども、ついついやってしまうな」
「国語の教科書とか、数学の教科書とか、科学の教科書とか」
「ちゃんと教科書読みんちゃいよ!」
「あと体育の教科書とかね」
「体育に教科書ないんじゃけどっ! 勉強はどうしちょるん!」
「ユーチューブ動画で」
「動画かい! まあまあ最近はお勉強動画でできるんよね」
「そうそうタブレットで、イケメンの先生に色んな質問も出来るしね」
「便利な世の中ぢゃね!」
「好きな女性のタイプはなんですかとか」
「そんなん聞くの?」
「結婚されてますかとか」
「個人情報オンリーぢゃん」
「付き合ってる人いますかとか、いなかったら付き合って貰えますかとか」
「コンプライアンス守らんといけんよ、ほんまコンニはもう…」
つかみは上々だ。観客たちもボケとツッコミをする度に笑っている。
「そんなうちぢゃけども、ぢゃけども、最近ぶち面白い本見付けたんよ!」
「急にぶち上げてきたね、それじゃあ聞いてみようかいね? フルさんのおすすめの一冊」
「まず話しの順序がね、完結してから中盤、それから前半、そして冒頭」
「ちょっと待ちさい!何その完全逆再生」
「ジャンルもごちゃごちゃなってて、最初にSFきて推理、それからノンフィクション、ヒューマンドラマ、ホラー、ミステリー、ミリタリー、歴史、で最後に恋愛」
「ジャンル全マシかい!」
「BLはヒューマンドラマの前に来てるし、百合は歴史の前かな」
「内容濃ゆっ! キャラクターとかぶち気になるわあ」
「キャラクターは完結してから出てくるんよ」
「キャラ遅刻しすぎっ! ざっくりじゃのうてどんなキャラクターが出て来るんね?」
「オネェとか、高齢者とか、サイコパス、中二とか変態、メンヘラにヤンデレ色々」
「ポリコレ寄りすぎ! 普通のイケメンとかイケボとか出てこんのね?」
「寄ってるんかねえ、全世界の人が読んでるぽいんぢゃが」
「一部のコアなファンが読みそう」
「イケメンとイケボは一番最初の方に出て来て」
「やっぱ出るんじゃんっ!」
「ですぐ完結するんよ」
「いや、終わらせんといて。イケメンイケボをすぐに終わらせちゃああかんて! オチってどうなっとるん」
「最初の方であるよ」
「出オチ半端ないよそれ、ていうか情報量多すぎて頭に入って来ないって」
「つまり、どういう事かゆうと」フルはここで自分の異能力を発動させる「時間を戻してみようかいね。ちょちょいのちょいな♪」時間が間早戻しされていく。
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