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神殺しの計画
「……は?」
いや、殺すって何?
神様殺すって何??
え、何?
絶対天罰降ること言ったよ今ゆかりさん??
いやマジで何を言って……?
そもそも神様って体あるもの?
物理的に処す?それとも心をガッとヤル感じ?
てか殺すくらいの力ないけど?
武器が今……文明の力(スマホ&充電器)と傘しかないけど?
まさかマネーパワー?
ハァ??
無理もない、僕の頭は情報整理を完了したはずなのに。
はてなで埋まってしまう。
「ん、まぁそれが普通の反応よねぇ〜」
いやぁそりゃぁそうでしょうが。
で、ほんとにヤル気なんですかねこのヒト。
「まぁ、カミサマ殺すってなってくると一個ずつ壊していかなきゃなんだけど」
ほう…?
「この世界は五つの地域で成り立ってる」
狭くない?国単位で楽に100超えてるけどな地球??
「その地域一つ一つで、核があるんだ」
核。
「それを壊していかないと…………」
勝てないと。
「……って、ちょっとまって?」
ん?
「キミ…………朝陽くんて、この世界の住人じゃない、であってるよね??」
「は?」
ウーン、また始まっちゃった。
はてなしか浮かばないこの質問。
前の質問もまだ解消してないよ〜??
「って、どゆことですかそれ??」
「だってきみ、身寄りいないじゃん」
「いやそれはゆかりさんだってそうじゃないですか」
「そうだけど!そうじゃなくて!!君、人間じゃんどう見ても!」
「そうですけどなんですか!?」
「出身地行ってみなさい!!」
「東京です!!」
「ッッッっどこだよそこは!!!」
……はい?
勢いで全部進んだけどさ。
「「やっぱおかしいってこのひとおおおおお」」
どういうことだ…?
さっきまで僕は家の前でゆかりさんと喋っ…………?
あれ…、背後に家、あったっけ。いや、あったはず。
逃げてた道は見覚えあったし。
地球じゃないならここはどこだ?
東京じゃないなら異世界か??
「朝日くん、東京がどこか知らないけど。私この世界見覚えないんだよね。でもここの空は私が住んでる世界、“ファントム”のものなんだ」
「それは……僕の場合、逆で同じですね。この道は全て知っているのに、空には違和感しかない」
ってことは……あぁ、なるほど。
食い違ってるのか、世界が。
ファントム?とかいう世界と、地球とが。
ってことは今地球では……通常の空と、ファントムの都市がってこと?
「はぁぁ私神様の伝説以外知識ないからもうキャパオーバー助けて朝日くん〜」
「僕のほうが意味わかってないですよ」
僕とゆかりさんは状況整理をし始めた。
ファントムの神様が『全て同時に終わらせよう』と思って、ファントムという世界の崩壊が始まったこと。
そこでなぜか地球の一部、東京と混ざったこと。
東京とファントムは空と街とが入れ違ったこと。
ゆかりさんは神様の伝説以外何も知らないこと。
僕は一般人で、なんの意味もわからないこと。
時々、隕石が降ってくるファントムの崩壊が少し進んだ。
それでも僕らは動じなかった。
僕らは考えた。
空にいる神様は入れ違ってないはず。
ファントムの神様はファントムにいるはず。
けれど、地域ごとの核は今の東京にあるファントムの街に行かなきゃいけない。
じゃぁ、世界を跨がなきゃいけない。
入り口は?出口は??
最後の結論はこうだった。
「ゆかりさん、初めに見た空間の割れ目。あれに入れば東京に行けるんじゃないですか?」
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