第四章

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ー咲耶サイドー どれだけ歩いたのだろうか?その間、何も無かったのが逆に咲耶を不安な気持ちにさせた。相変わらず一寸先は闇だ。二人は大丈夫なのかな?そう心配していると、何やら紙らしきものが落ちていた。 「まさか。あれは論文なのでは・・・・・・?」 咲耶は急いで駆け寄り、手に取って確認してみた。紙には英文と図式が載っている。年季物なのだろう、紙は茶色く日焼けしていた。 「やっぱりそうだ。読んでも意味不明ってことは多分論文だ」 案外簡単に見つかったな。 楽勝任務すぎてこれで良いのかな?と考えていた次の瞬間、突如頭上から奇声が聞こえた。 「ウォォォォォ!」 気付いた時には遅かった。巨大な生物が咲耶を襲撃した。 「うわぁ!」 なんとか致命傷は避けたが、相手の素早い動きに順応できず捕まってしまった。 恐る恐る相手を見た。ニ階建ての一軒家ほどの大きさで、足が八本。濃い赤色で左目はなぜか隻眼である。 その姿からようやく相手が巨大なタコだと判明した。咲耶の体は強力な吸盤で拘束されたが、何とか手だけは動かせた。 「分身の術!」 分身咲耶が現れた。 「ねー私、急いで笛を吹いて二人を呼んで!」 「うん」 分身咲耶は肺が破裂しそうなほど目一杯吹いた。「ピー!」という音が洞窟内をこだました。 「うるさい奴め。くらえ」 巨大タコは瞬時に分身咲耶を攻撃し消滅した。さらにオリジナル咲耶の手をギュッと拘束し、印を結べなくさせた。 誰か助けて...。 ーネムサイドー 「なんだろう、これは?」 洞窟内には奇妙な壁画が刻まれていた。丸や四角の模様があり、そこに人と思わしき人物が至る所に散見されている。太古のものなのか、何を意味するのか全く理解できない。これも部活で解き明かそうか、なんて考えていた時、突然「ピー!」という音が聞こえてきた。 「この音色は・・・・・・咲耶に違いない。何かあったのだろうか? 絵が気になるけど一旦後回しにしよう」 音の鳴る方へ急いだ。 ーシャオランサイドー 「ねーねーリーリー、怖いよー」 リーリーはどんどん前に進む。シャオランはリーリーの後を追いかけることしかできなかった。すると突然「ピー」という音が聞こえた。 「この音色は咲耶さん? リーリー、怖いけど行くよってあれ?」 リーリーは勝手に音が鳴る方に向かって走っていた。 「待ってリーリー!」
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