プロローグ

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プロローグ

「いよいよだ・・・・・・」 男は目の前のパソコンに向かって独り言を呟いた。黒い画面には何やらプログラムが書かれている。 長年の思いがようやく実現する。しかし、これを公表すれば国や大企業から消されかねない。安全のために非公開にするか、と一瞬頭をよぎったがすぐに取り下げた。 否、これは確実に世の中を大きく変える。ここで臆するのは非常に勿体無い。何か身を守る方法はないか考えよう。 しばらくすると、ある一つのアイデアが浮かんだ。 「そうか。偽名にすれば良いのだ」 ふと横にある本棚を眺めた。二ヶ月ほど前に積読した本が無造作に置かれている。作者名には『中本拓哉』と『遠藤聡』の文字があった。 中本・・・・・・聡・・・・・・ あっ。 『サトシ・ナカモト』はどうだろう?和名がいい味を出して良い感じがする。 こうして男は偽名を使った。 「さて、残りのプログラミングを終えて、封印術の準備を進めようか」 男はカタカタとキーボードを叩き始めた。
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