雪の思い出

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  最初は離れて研修に励む父を、心配していた母ですが、父の送って来る絵葉書の写真が、相当魅力的だったので、母もそして私達姉弟も父の所に行きたくなりました。  夕日に雪が映える街並、真っ白なドレスを纏ったような、一本の樹。暖かい灯りの溢れる窓。それはそれは、まるでお伽話のような写真でした。  母は、私たちの担任の先生と交渉、春休みを含め2カ月ほど、父の所に行くことが許されました。二カ月分の宿題と一緒にですが。  あちらでは、父の住んでいた借り上げ社宅のご近所にも、子供は居ましたので、すぐに仲良くなりました。まずは言葉、お互い初めて聴く単語を教えあったりと、色々あるものだなぁと驚いたり、笑いあったり。子供同士って無邪気で楽しいですものね。  毎日友達が学校に行ってる間は、私達も宿題時間です。弟とふざけ合ったり小競り合いしたり、なかなか捗りませんでした。ついには母の大目玉が落ちて来て、やっと真剣に取り組むのでした。  
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