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数分後、街の中心部(モダンな和風テイストがいい感じのカフェ)では――。
「デリシャス! おい咲耶、この抹茶アイスマジでウマいな!」
「だよねだよね!? その下のマロンクリームとか寒天と一緒に食べるのも美味しいよ」
「なるほど、それがパフェの作法って訳か。一つやってみるか……Wow! これ最高だ!」
「んんー、こっちの黒ごまイチゴパフェも最っ高! ほっぺが蕩けちゃう」
その頃公園では――。
「それっ、ほうっ」
ネムは、手裏剣を投げまくっていた。
これでもかと生み出したひよこ軍団もあっさり打ち破られ、呆然としたネムは――限界突破した。天啓来る。どうしてもっと早くこれを思いつかなかったのか。
「嬢ちゃん、やめろって!」
キースは面白いほどにうろたえている。楽しくなってきた。
新たに投げた手裏剣がヒュルルと、敵目がけて飛んでいく。この調子でテンポよく攻撃を続けていれば、キースが予知夢を見ることはできない。ネムの手裏剣は予測不能、十秒も目を閉じるのは危険なギャンブルだ。
そう。手裏剣の修行なんて、ろくにしてこなかったから、さっきから軌道がめちゃくちゃだ。一、二個シャオラン達の方にも飛んでいった気がする。
「絵じゃオレの予知夢に対抗できないからって。自分でケガしてるじゃないか!」
キン、とナイフで手裏剣を防ぎながら、キースが声を張り上げた。
痛いが、それは仕方ない。刃物を扱えば、知らない間に傷が増えるのはネムにとってごく普通のこと。だから手当てに必要なものは用意してある。
あちこち血に塗れた腕にシュシュンと一瞬で包帯を巻いて、ネムは不敵に笑った。
「大丈夫、包帯も絆創膏もまだあるし?」
「クレイジーだろ!?」
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