四の巻

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 数分後、街の中心部(モダンな和風テイストがいい感じのカフェ)では――。 「デリシャス! おい咲耶、この抹茶アイスマジでウマいな!」 「だよねだよね!? その下のマロンクリームとか寒天と一緒に食べるのも美味しいよ」 「なるほど、それがパフェの作法って訳か。一つやってみるか……Wow! これ最高だ!」 「んんー、こっちの黒ごまイチゴパフェも最っ高! ほっぺが蕩けちゃう」  その頃公園では――。 「それっ、ほうっ」  ネムは、手裏剣を投げまくっていた。  これでもかと生み出したひよこ軍団もあっさり打ち破られ、呆然としたネムは――限界突破した。天啓(きた)る。どうしてもっと早くこれを思いつかなかったのか。 「嬢ちゃん、やめろって!」  キースは面白いほどにうろたえている。楽しくなってきた。  新たに投げた手裏剣がヒュルルと、敵目がけて飛んでいく。この調子でテンポよく攻撃を続けていれば、キースが予知夢を見ることはできない。ネムの手裏剣は予測不能、十秒も目を閉じるのは危険なギャンブルだ。  そう。手裏剣の修行なんて、ろくにしてこなかったから、さっきから軌道がめちゃくちゃだ。一、二個シャオラン達の方にも飛んでいった気がする。 「絵じゃオレの予知夢に対抗できないからって。自分でケガしてるじゃないか!」  キン、とナイフで手裏剣を防ぎながら、キースが声を張り上げた。  痛いが、それは仕方ない。刃物を扱えば、知らない間に傷が増えるのはネムにとってごく普通のこと。だから手当てに必要なものは用意してある。  あちこち血に(まみ)れた腕にシュシュンと一瞬で包帯を巻いて、ネムは不敵に笑った。 「大丈夫、包帯も絆創膏(ばんそうこう)もまだあるし?」 「クレイジーだろ!?」  
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