プロローグ

1/2
前へ
/13ページ
次へ

プロローグ

これは私が友人より聞いた話である。2012年7月の暑い日…男の元に一通のメールが届いた。メールには複数枚の写真ととあるファイルが添付されており…こう記されていた。 「閲覧注意」ただひと言そう記されたその文字がやけに印象的だったと彼は呟く。男はその文面を見ながら思い出していた。そう…あの事件が起きたあの日もこんなふうに蝉が煩く鳴いていた初夏の夕暮れだった。 「私は今現場となったHOTELに来ていますっ!!!?被害者の男性は犯人と見られる女と一緒にHOTELに入室し…翌7月2日未明…遺体となって発見されました」 「男性の頭部は鋭利な刃物で切断されており…警察は殺人事件として捜査を進めている模様です。」 TVからそんなニュースが流れてきて…男の鼓動が早くなる。ドクンっドクンっドクンっと波打つように高鳴る鼓動は彼に「恐怖」というものが何たるかを教えていた。 そして男は「あの映像に映ってたHOTELだ…?」とひと言呟いて嗚咽を漏らす…!!!?男が言うあの映像とは…2012年7月2日未明に送られてきたとある一通のメールに添付されていたファイルである。その映像には…浴室内で凶行に及ぶ女の一部始終が録画されており…どのアングルから撮影したのかはわからないが…様々な視点からの映像が映されていた。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

68人が本棚に入れています
本棚に追加