第1話 「ハリケーンの中で…土砂崩れで亡くなった不幸な兄弟は不思議な世界に転生する」

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「草…」 私は弟の名前を呼んだ。  ウィーン… 聞き慣れない 音と、ポテポテという音が近づいてくる。 「お二人ともミルクの時間ですよ」 視界に入ってきたのは見たこともないピンクの生き物。 「ほらアルグ様、飲んでください」 口の中に哺乳瓶の先が入ってくる。 甘くて生ぬるい液体が私の口の中に入り、私の口は無意識にそれをごくごくと飲み込んだ。 「次はクロス様です。ほら、飲んでください」 なんとか身をよじり、隣を見る。 緑の生き物が銀髪の赤ちゃんの口に哺乳瓶を当てている。 「上手ですねクロス様。 さあ、飲み終わったらおしめを換えましょう」 おしめ? 私もミルクを飲み終わると、私の相手をするピンクの生き物におしめを替えられた。 どうやら私達は赤ちゃんになってしまったようだ。 「さあ、また2時間後に来ますね。おやすみなさい 2人とも」 そう言うとピンクと緑の生き物は去って行った。 「草…」 ふと弟の名前を呼ぶと 「お兄ちゃん…?」 隣からお兄ちゃんと呼ぶ声が聞こえた。
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