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第2話「急成長した体と母の質問」
暖かいものに包まれる感覚で目を覚ますと
「おはよう アルグ」
白と赤の髪をした女の人が優しい声で不思議な名前を呼びながら私を抱っこしているのが分かった。
「あなたは?」
私がそう聞くと女の人はちょっと驚いた顔をして
「アルグったらもう話せるようになったのね !すごいわ」
と言いながら ニコニコしてる。
「あの…」
「私の名前はグロリオーサ。あなたのお母さんよ」
「お母さん!?」
この優しそうな白と赤の髪の女の人が私のお母さん…死ぬ前の…前世のお母さんよりもとっても美人でとっても優しそうだ。
「なあに?アルグ」
「あの…草…私の弟は?」
「草?クロスのことかしら?
クロスならまだ眠っているから隣のベッドにいるわよ」
お母さんは私を抱えたまま移動し、少し移動した先で私の抱き方を変えてベッドの中で眠る 草を見えるようにしてくれた。
「あれ…眠る前まで赤ちゃんだったのに…」
眠っていた時間は分からないけど、草の見た目は3歳くらいの子供の大きさだった。
とがった耳に美しい銀髪。 色白の肌…前世で見たこともないような 整った顔。
まるで漫画に出てくるような美しい妖精のような姿の草。
「あなたの双子の弟のクロスよ。
そうね…あなたには私と同じ武器鍛冶を教えるとして…クロスには 防具鍛冶でも教えようかしら」
「武器…かじ?」
私がそう聞き返すと母は私を草の隣に置き、ベッドの隣でくるりと一周して回った。
「私はこのオフロ1の武器鍛冶職人なの。
……それにしてもアルグは変わっているわね。NPC子供ってこんなに変わったこと喋る機能なんてついてたかしら」
「えぬ…子供?」
そう聞き返すと母は目の横に指を当てて、とんとんと軽く叩いていた。
「確かに一番グレードの高いNPC子供を課金したけど、こんなものなのかしら?
…調べてもこんな風に聞き返してきたり、生きた人間みたいな反応するって報告はないわね」
さっきからお母さんは何を言っているんだろう…。
正直に話をした方がいいかもしれない。
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